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アコースティックギターの練習。YouTubeはあり?

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

●今回はアコースティックギターの練習方法について。練習方法は色々とあります。講師の私としては色々な方法を試すよりも基礎からしっかり学べれば一番だと思っています。好きな曲を練習する。これは何といってもモチベーションが違いますね。練習も楽しいかもしれません。またできていなくてもそれなりに楽しいのかもしれません。しかし難易度が問題です。とても難しい曲だったりすると挫折につながります。そしてそれが初心者にとってどれだけの難易度か。それも初心者ではわからないでしょう。「この曲は簡単ですよ」と友人に言われて挑戦したものの、全然できない。こういったケース、よく聞きます。それはその人にとって簡単だっただけです。全ての人が同じように簡単にできるわけではありません。男性なのか女性なのか。30代なのか50代なのか。色々と人それぞれ条件に違いがあります。ですので参考にならないことが多いようです。ではどのような練習方法がよいのか。今回はYouTubeを参考にする方法がどうなのか、書いてみたいです。

 

・動画

YouTubeは動画です。もちろんと思われる人がほとんどですが私が講師を始めた頃はYouTubeはありませんでした。そしてYouTubeの存在も生徒から教えてもらったぐらいです。その当時、まだまだ動画はパソコンには重たいものでそれなりのパソコンを持っていないと再生中に止まるレベルでした。そしてまだスマホもありませんでした。ですのでYouTubeを観てアコースティックギターの練習をすることは実はごく最近のことになるのです。YouTubeが世に出回ったころはまだ情報を得るものではなく観れなかった動画などが見れる、例えば海外で放送されたテレビ番組に出演したアーチストの動画。このようなレアなものが主流でした。収益化ができるようになりこの収益化がビジネスになったからこれだけ多くの情報があるものになりました。私としては時代も変わったと思う次第です。YouTubeのアコースティックギター動画、特に練習には面白いものがあります。例えばアコースティックギターの練習の動画の場合、楽譜が出る、ダイアグラムが表示され、観ながら練習できる動画が非常に多いです。確かに便利なものですね。また曲も一緒に流れるのでイメージがしやすく、パソコンで曲を再生したりする手間も省けます。最近はもうすっかり曲はデータ化されてMP3になってしまいますが当時はよくCDを買ったり生徒のために借りたりしたものです。T’sGuitarSchoolでもレッスン時にYouTubeを再生することがありますが本当に便利でレッスンにも役に立つようになりました。動画で再生されるのでリアルにわかりますね。これは本当に楽になると思います。教則本を買って勉強しようにも書いていることが分からないことも多かったようです。

 

・曲があるかどうか

YouTubeは誰かがアップしたものです。ですのであまりにも有名ではない曲はYouTubeにないこともあります。しかし正直、皆さんが弾いてみたいと思う曲は有名な曲が多いので大抵はYouTubeで検索すれば出てくるのではないでしょうか。例えばインディーズなどは少し難しいかもしれません。また著作権の都合でYouTubeではキーの違うものもあったりします。また音源がとても古くレコードの場合もあります。そうなりますと回転数が違ってチューニングが違うことになります。一緒に演奏しても音が違う場合もありますね。このようにすべてYouTubeというわけにはいかないかもしれません。

・複数ある

これは悩むところですね。有名な曲は弾いてみたといった投稿がたくさんあります。真似をすればいいのでとても便利かもしれませんが複数あるとどの人が正しいのか迷います。こちらが正しいと判断できれば良いのですが初心者にはそれが分からないかもしれません。良い部分、わかりやすい部分だけ参考にすればいいのではないでしょうか。しかし少し面倒でもあります。また人によってレベルもありますね。大抵の場合はとても上手い人が多いのですがそれでも先生ではありません。微妙なシーンも見かけます。中にはとても演奏を研究していてアーチストのやっているそのままを動画にしている人もいます。実はこのアーチストの真似が厄介な時があります。弾いているミュージシャンはその曲ができればそれでよいです。また他の人が弾きやすいように曲を作るりゆうもありません。ステージに立っているミュージシャンは自分の曲の練習をすればいいので、実際に独特なコードフォームだったりします。またアコースティックギターを持つ姿勢なども人それぞれになります。そうなりますとミュージシャンの真似をして弾いている人のほうが参考にならないときもあります。あくまで皆さんが弾けるようになるための動画があるのならそちらをお勧めします。ミュージシャンは手が大きい人が多いと私は思います。もちろん手が小さくてもアコースティックギターは弾けるのですが手の大きい人の真似をするだけではなかなかうまくいかないでしょう。そういった意味で複数ある場合は色々と見比べてみてください。

 

・再生スピード

YouTubeには再生スピードを変える機能がありますね。これはアコースティックギターを練習する人にとっては便利なものです。速すぎて細かい部分がみれなくてもスピードを変化できればどうなっているか分かりやすいです。ただし、自分の見たい部分をYouTubeで探すとき、どうしても原曲のスピードのほうが探しやすいのでタイムをメモしておくほうがよいですね。注意点はこの再生スピードに頼り切らないことです。原曲はそのスピードでよい曲になります。ゆっくり再生して練習することは悪いことではありませんがあくまで目標は原曲と同じスピードです。またこの練習方法を繰り返していると遅くしないと練習できない人にもなるのであくまで最初の段階だけです。メトロノームを使って徐々にスピードアップをするといった基本的な練習方法は大切です。

 

●これまでほぼメリットを書いてきました。もう最近ではYouTubeを使うことは必須です。このように練習に役に立つことが多いからです。しかしデメリットもあります。

 

・パソコン、スマホ

スマホなら画面の小ささは弱点です。やはりパソコンで観ながら練習するほうが絶対にいいのですがノートパソコンでも小さいということはありますね。またアコースティックギターを膝に置いて練習したりすることになるので適正なネックのフォームが取れず、変な弾き方になります。ですのである程度は覚えて、画像を観たらなんとか観ないで弾くことをお勧めします。とにかくよい態勢が取れないことが多いです。そして音声の問題。パソコンに別のスピーカーを搭載したりしないとあまりいい音で音源を聴くことができません。スマホならイヤホンをつけることになります。またノートパソコンも直接本体からでは音はよくないので別にスピーカーを用意したほうがよいでしょう。T’sGuitarSchoolではエレキギターの練習はノートパソコンでは聴こえないくらいになってしまいますので少し大きめのスピーカーで私と生徒がアンプを使用しても聞こえるよう、ボリュームを上げれるようにしてあります。

 

・「弾いてみた」

とても人気の動画ですね。本当の音源がなくてもこちらならある時があります。しかし弾いている人のレベルが必要になります。初心者の人でもやはりきっちりとした技法、奏法を持った人を参考にしてほしいです。この「弾いてみた」の動画を撮っている人は上手い人なのですが先生ではありません。その人が弾けるように弾いているだけなので変な奏法を身に着けてしまうかもしれません。

 

・目線

YouTubeを観ながら。これはアコースティックギターのネックを見ることができないと言えます。実際に「正しく弾いているはずなのに違うように聴こえる」こんな意見を生徒からよく聞きます。しかし実際には違う場所を押さえている単なる間違いです。しかしYouTubeを観ながら練習をする人は画像も見ています。自分の左手を見ているわけではないので例えば3フレットとYouTubeを観ながら弾いていても実際には2フレットを弾いており、そして左手を見ていないので間違えていることに気が使いないようです。ギターはどんな時でも左手を観ながら演奏します。ライブなどではそうではないのかもしれませんがあくまで練習です。練習の際はしっかりと左手を観たいのです。大抵の方は左手は利き手ではありません。利き手ではないほうを見ないで複雑な動きをするギターのコードを弾く。これはあまりに効率の悪い練習だと思います。YouTubeを観ながら練習は止めましょう。

 

●このようにデメリットもまたあります。目線の話は切実です。本来左手を覚えて練習するものです。またメトロノームを使用します。ゆっくりから徐々にスピードを上げて練習する。これはギターの練習の方法の基礎です。もちろん初心者の方にも必ず実践してほしいです。しかしYouTubeを観ながら練習できるといったことで、メトロノームも使用せず、左手の動きも覚えず、画面だけ見る。これは本当によくない練習です。その曲だけは弾けるようになるかもしれませんがほかの曲に応用が利かない練習方法とも言えます。YouTubeはすでにもう情報源となっています。私が若いころは知らなかったような奏法や懐かしい曲も簡単に聴けることは嬉しいのですが頼り切ってしまうと悪い練習方法が身につくことになります。あくまで参考にYouTubeを見るようにしてほしいです。

そして基礎のフォームをしっかり身につけましょう。

参考にしてみてください。よろしくお願いします。

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