いつもご覧いただきありがとうございます。
後日報告いたしますが緊急事態宣言が延期されると渋谷の教室もお休みになります。
ただ、一般の企業様は緊急事態宣言を延期してももう限界らしく操業をスタートする傾向に
あるようです。またその際はご連絡します。
今回は第4回目です。フィンガーボードの続きになります。
フィンガーボードの役割は音ではなく強度だと考えています。ギターのパーツの中でも
力が大きく加わる部分だからサウンドもさることながら耐久できないと意味がありません。
改めて、ギターは木工です。変形しやすいものなので強度の追求は絶対です。サウンドより
も優先して考えられていると私は思います。
前回書いたようにエボニーはあまり手に入りません。特に真っ黒に近い部位は現在では貴重と
されています。しかし、どの職人さんに聞いても決して真っ黒の部位がよいものではないと答えます。
どうしても黒いほうが良い、特に縞が入るとかっこ悪いという見た目です。私の所有する
フルアコは辻四郎製作のオーダーメイドですが真っ黒のエボニーではなく多少の縞が入ります。
良い木材は大手メーカー様に買われてしまい、どうしても個人製作家は良いものが入手
しずらいようです。後は高騰していてギターの適正価格を超えてしまうとか。
中には凄いいい感じの縞が混じっていてこれはこれで良い!といったものもあります。
そこで量産できることを考えたフェンダーのメイプルネックです。 これはトップ、フィンガーボード
がありません。こうなると実は良いことがたくさん出てきます。トップを張る手間が省けます。
塗装も楽です。などなどです。弱点はリフレットの時は塗装作業もしなければなりません。
フレットは一度抜いてしまえば絶対に塗装をはがします。トラスロッド(後で解説します)
の部分は別に必要になります。
ここで注意したいのが安いモデルです。張りメイプルと呼ばれるものでこちらはメイプルの
バックの上にローズ、エボニーではなくメイプルを張るモデルです。
量産の安いモデルにはボディは黒、ネックはローズかメイプルかとボディに対して2種類
用意される場合が多いです。もしローズ(張るタイプ)ばかり売れてしまってメイプル
ワンピースが大量に余ってしまった。こうなると在庫が大変なので要はどのタイプでも
対応できるようバックを統一するんですね。こうしておけばどのようなタイプのネックに
も対応が可能です。ですので張りメイプルにはご注意ください。サウンドの差はあまり
ありません。見た目です。
次回はネックのバックを紹介します。
よろしくお願いします。