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ギターの塗装 3

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

前回から塗装の話をしています。塗装に関しては全てのギターに対して同じで

またできるできないもないと思います。ただし、個人の製作家はどうしても

その機械がないとできない場合があります。特にウレタン塗装は専用の機械

がなければ大変な作業になることもあるのでその場合はできない方もいる

かとは思います。

 

今回はラッカー塗装です。

もっとも古く一般的な塗装です。管楽器にも使われ、また楽器以外にもありうる

塗装です。楽器本来の音を極力邪魔をしないという意味ではとても優れています。

ただし、あまり強い塗装ではありません。質によっては手でゴシゴシし続ければ

どんどんと薄くなり剥げていってしまいます。強い塗装ではないといっても

外界からの防御、とくに水分に関しては問題はありません。水がしみ込んだり

する訳ではなく充分なものです。しかしぶつけてしまうといった場合は少し弱い

気がします。もちろんそれも強度を計るわけではないので判断の難しいところです。

強度を増すのなら分厚く塗れば問題ありません。しかし厚く塗ればそれだけ振動を

邪魔してしまいます。薄く塗れば当然ギターの振動やサスティーンを邪魔することは

減っていきます。塗装の厚さは職人によって様々です。またどこで作られているか

によって厚めなのか薄めなのかも変わります。そしてもう一つの弱点は化学反応です。

ラッカー塗装はゴムに反応してしまいます。ギタースタンドのネック、ボディの部分が

ゴム製ならお互いが溶け出してしまいます。ラッカー塗装にも色々ありラッカー専用

のギタースタンド、またはギターの汚れをとる洗剤と書いてあっても剥がしてしまう

ことがあります。同じラッカー塗装といってもメーカーの作り方はバラバラです。

 

 

ラッカー塗装はその原材料のラッカーが高いと聞いています。またそのデリケートさから

大量生産には向きません。大量生産には乾きが早いというのも考慮になります。

その意味でラッカー塗装は高いギター用の塗装のイメージが強いです。そして音。

もともとラッカー塗装だったためどうしてもサウンドの標準になりがちです。

本当の音ならラッカー。そんなイメージも先行しています。

 

次回はもう少しラッカー塗装の特徴などを書いてみたいと思います。

 

よろしくお願いします。

 

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