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今回はラッカー塗装の続きになります。ラッカー塗装はギターでは
最もポピュラーな塗装の方法です。実は弱点もたくさんあります。
ですがやはり好まれる塗装です。
ラッカー塗装は色々なものがあってメーカー独自のものが多いです。
シンナーの調合具合もあって一概にすべて同じようなものとは言えません。
また変化も激しく年代が経つにつれてその質も変化します。この変化の具合は
非常に難しいものです。手や腕が振れて変化してゆくこともあります。日光に
焼けて色が変わってゆくこともあります。スタジオのような窓のない場所でも
やはり照明で変化します。裸電球などでライトアップしているとお店でもどんどん
と変化します。お店のショーウインドウ。日光に当たってしまいあまり長期在庫
になると焼けて販売が難しくなります。そうなればもう安くして販売するしか
ありません。塗装のやり直しはできないに等しいので残念です。また焼け方も
色が濃くなってしまう、薄くなってしまうくらいならいいのですが本当に
日焼けになると非常に格好が悪く残念ながらこちらも通常値段では販売できません。
またクラッキングということがあります。塗装にひびが入ります。こちらも年月が
必ずしもそうする訳ではありません。このクラッキングは木の水分が塗装を割って外に
出ようとするときに起こります。ギターの木材はしっかり乾燥しているのですが
完璧に水分がない訳ではありません。空気の乾燥によっておこるので新品のギターでも
あまり湿度が低いとクラッキングを起こします。もちろん長い年月をかけて水分が抜けてゆくので
時間が経つにつれクラッキングを起こす現象もあります。そしてラッカー塗装の厚さも
影響します。薄ければボディの振動も邪魔をしません。塗装は磨けば磨くほど光沢がでます。
その光沢を出したいがためにどうしても最初から分厚く塗り、そこから研磨に入ります。
この状態で厚塗りになると極度の感想には耐えられずクラッキングを起こしてしまいます。
ラッカー塗装はボディの振動を邪魔しないものとして適してもいるのですがこのように
弱点があります。音を取るのか見た目を選ぶのか。この判断がユーザーには難しいですね。
次回はもう少しラッカー塗装、そして塗装の本来の意味を掘り下げてみたいです。
よろしくお願いします。