東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。
●今回は初心者の方が陥りやすい練習方法についてです。正直なところ、ギターを購入した日から
習いに来てもらえれば変な癖やギターという楽器のとらえ方などを最初から教えることができるのですが
どうしてもギターという楽器は最初は独学で挑戦しがちな楽器です。ギターは楽器。そう簡単にできるもの
ではないと私はよく言っています。もちろん練習をしっかりすればできるようになります。ただ、YouTube
などの動画を見てできるものではありません。例えば、この曲だけ、弾きたい。そういったことであれば
時間はかかりますができることもあります。しかし今後、趣味としてギターを弾いてゆきたい、色々な曲
に挑戦したい方はやはりしっかりと最初から習う方が絶対に初心者には良いことだと思います。
そうはいっても初心者の方の陥りやすい間違った練習方法はあります。
・まずドレミの位置を覚える
アコースティックギターでもエレキギターでもドレミの位置を覚えることは重要です。しかしまず最初に覚える
ということがあまりよいとは思えません。まず最初にやるべきことではないと思います。何事にもステップが
あります。それがドレミの位置ではありません。覚えるとしたら開放の各音程はしっかりと覚えたいです。
これを知らないといざ、弦が切れたりしたときの交換の際、どの弦を何の音にチューニングしてよいか分からない
状況になります。これでは流石によくはありません。メモやネットで開放の音を調べながらでもいいのですが
実際には5つしか音はないのでもう最初に覚えるべきですね。しかしこれ以外はドレミの位置は最初の段階で
覚える必要はありません。スケールは必要です。ドレミファソラシドを覚える、しわゆるスケールを覚えることは
重要なのですが実際、スケールを覚えても指盤のどこにどの音があるかは覚えることはできません。実は
スケール練習は指盤を覚えることが目的ではないからです。大切なのは指の運び方です。人差し指、その次は
開放。そして中指、薬指と指を動かす順番を覚えます。これが結果的にドレミファソラシドになります。
この練習方法はとても大切です。T’sGuitarSchoolでは初心者に限らず全ての人にスケール練習をします。
アコースティックギターでも同じです。その際、この練習方法をしっかり教えています。それはギターという
楽器の特性に合っているからです。実際にはクラッシックギターも同じプロセスです。ただしクラッシックという
音楽の特性上、ある程度、ドレミの位置を覚えます。ここはポピュラー音楽とは違うところです。ポピュラー音楽
では同じ曲を転調したりすることがあるため最初にドレミを覚えてもすぐに役に立ちません。まずは移動できるか
が大きなポイントです。移動した際、指の動かし方を間違えれば演奏できません。しかし逆に言えば
移動するだけで弾くことができるのがギターという楽器でもあります。初心者でもアコースティックギターで
カポを使うことがありますがこれも「移動」です。この移動により演奏が成立するのもギターのいいところですね。
移動、すなわち転調。他の楽器は各キーにおいてどの音をシャープにするかフラットにするか覚えておかなければ
なりなせん。もちろんギターもこれは大切なのですが最初の最初に覚えることではありません。アコースティックギターなら
ダイアグラム、エレキギターならタブ譜と弦と指盤の位置を示したものがあります。まずは技術を身に着ける、それには
とても有効なものです。ギターはアコースティックギターでもエレキギターでもドレミの位置を覚えることは難しい楽器です。
そこでくじけてしまったらせっかくギターを買っても辞めてしまいます。実際にはその方が講師の私としては残念です。
まずは楽しんで演奏できるよう、アコースティックギターならコードを覚える、エレキギターなら曲に挑戦できる
指の力をつける。これだけに集中したいです。
・しっかりした基礎のフォームを身に着ける
これに関しては実際に習いに来てもらわないと難しいです。このブログで説明できることには限界があります。
ですのでどれが基礎ではないか、見分けてほしいです。動画、YouTubeでも構いません。真似をして弾いてみて
下さい。その時大切なのは弾いている人の手の大きさです。外国の方もたくさん動画を上げていますがまず
手の大きさなのです。手の大きさは最初は重要ではありません。しかしそれはしっかりとした基礎があってから
こそ言えることです。もし自分のアコースティックギターやエレキギターのネック、ボディと弾いている人の
手を比較してみて下さい。明らかに弾いている人の手が大きいと思ったならそれは参考になりにくい動画の
可能性があります。同じくらい大きいと思えれば大丈夫です。なぜかというと、基礎を守らなくても
手の大きさでカバーする人がいるからです。特に外国の人はその傾向が強いです。日本人の手では
おおよそできないような演奏も力一発で弾ききる人が多いです。これを私たち日本人の標準的な手で
同じようにやろうとしてもそれはできないになりますね。大きい人は本当に大きいです。因みに講師の私は
実は日本人でも標準的に小さいほうです。ですので私自身はしっかり基礎の通りに演奏しないとできないことが
多いです。特に左手の親指を使用することが辛いです。簡単な位置もありますが音の高い位置、ネックの太いほう
になれば私では左手の親指を使うことはとても困難です。もし動画を見てそこに気づいたら、他の弾き方をしている
人の動画を探してみて下さい。次になるべく立って弾いている人を参考にしてみて下さい。立って演奏をしている
人はなかなか左手が見えないのでこの点が残念ではあります。しかし実際には立ってギターを弾くには基礎が
しっかりしていないとできない場合が多いです。胡坐をかいたり、地べたに座ったりしてギターのボディの
位置が高いところにある人はライブではまずその演奏はできないことになります。こういったことは初心者では
分かりづらいです。しかし実際に試してみて下さい。座ってボディを高い位置に持って来れば実は楽に弾けることも
あります。しかし本当の基礎とはどんな時も同じ位置、同じ形。ギターのボディの位置、ネックの位置が奏法によって
変化することはありません。もちろん立って弾いても手の大きさでできてしまう人もいますがそれでもやはり
座るよりは弾きにくいと感じます。そしてこの説明でどうしてもわからないならやはり基礎から習うべきだと思います。
・最初から曲をかけて練習をする
この練習方法は楽しいです。上手く曲に合わせることができればまた楽しいですね。しかしこれができる曲は
初心者の人には少ないはずです。基礎の練習を積んでいないので曲は限られます。もしくは大変沢山の練習が
必要になります。アコースティックギターでもエレキギターでも初心者が2,3ヶ月でマスターできる曲は
限られています。曲のマスターに大切なのは段階的な練習。そしてギターを弾く体力をつける基礎練習です。
その力がまずないのにも関わらずとても速い曲にいきなり合わせようとしたり、コードチェンジができないのに
楽譜を見ながら曲をかけて練習すればそれはできる訳がありません。徐々に曲のスピードを上げる方法を取って下さい。
しかしそれにはメトロノームが必要です。徐々にといってもそれ自身は目に見えるものではありません。
まずメトロノームで合わせることができる速さを見つけて下さい。この速さなら曲を間違えない。それくらい遅い速さ
でも構いません。それでできるようになったら10ずつメトロノームのメモリを上げましょう。この10は同じ均等の
メモリではないのですがそれでも構いません。大切なのは自分はどのスピードでできて、どのスピードからできないか
をしっかり把握することなのです。再三このブログに書きましたがメトロノームはとても重要です。そして曲の速さ
が120だとすると、110まで。この110までメトロノームで合わせることができればまだ少し曲の方が速いですが
慣れてくれば曲に合わせることができますね。
・曲を暗記する
長年レッスンを受け持ってきて必ず言えること。そして上達には必須の練習方法です。私は「リズム感が
ないんです」という生徒さんをよく見かけますがそれは本当にリズム感の問題でしょうか。アコースティックギター
のコードチェンジ、エレキギターのとても速いソロ。これはもう0コンマ00の域の速さです。まず楽譜をみて
反応しているようではついて行ける速さではありません。昔ピアノをやっていて楽譜は読めるという人もいますが
それこそ、基礎です。楽譜を追う目線の位置、左手が視界に入る。この辺もまた基礎のフォームによるものです。
ですのでどうあっても楽譜を見ながらでは演奏はかなり難しいのです。しかし次に来るコード、次にどのフレット
がしっかり覚えて判断できるなら、スピードも上がります。少なくとも初心者なのだからこの反応スピードが
重要になります。私達プロであっても初見でコードを見ながらアドリブができるまでに一体何年のキャリアがいるでしょう。
もちろんこれも重要なことなのかもしれませんがプロを目指すわけではない生徒さんには必要とも思えません。
ましてギターを始めたばかりの初心者の方にはまだまだ先の話でいいのではないでしょうか。とはいっても簡単に
覚えることができるわけでもありません。ちょっとずつで構わないので覚えましょう。これだけでかなり上達
出来るはずです。
●このように初心者の人はギターという楽器の練習方法が分からない。どうしても曲にすぐに合わせてしまう。
そして覚えないとマイナスな練習方法をやりがちです。しかし本当にこれらの練習方法が間違っているかも
わからないのも事実でしょう。やはりギターは楽器。ぜひ習いに来てほしいです。
参考にしてみて下さい。よろしくお願いします。