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ギターの塗装 8

いつもご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

ギターの塗装、8話まで来ました。塗装はとても奥が深くまたギターのサウンドに

も影響します。そして見た目にも大きくかかわるので色々な塗装があります。

 

今回はウレタン塗装です。ポリウレタン、いわゆる化学繊維で使われたりする

ポリウレタンと同様のものです。特徴は何といっても光沢です。その名から

想像するとわかりますがとてもよく光沢がでます。ラッカー塗装ももちろん光沢を

だすことは可能なのですが研磨と技術が大変です。一般的に塗装とは研磨すれば

するほどよく光沢がでます。ラッカー塗装でもウレタン塗装なみの光沢は可能なのですが

高価になってしまいます。その点はやはりウレタン塗装のほうがコストパフォーマンス

が良いように思えます。

 

経年変化にも強い塗装です。何年たっても光沢はしっかりとあります。多少はどうしても

変化してしまうのですがラッカー塗装のように黒が薄くなり緑のような感じになることは

ありません。ぶつけたりしない限り、手や腕が擦れて気が見えてきてしまうことはありません。

綺麗な木目のギターなど、そのまま経年で変化してほしくないといったものにお勧めです。

 

ウレタン塗装はその丈夫さから本来ギターにとっては理想です。前回にも書いていますが塗装で

大切なのは外界からの防御。この湿度や汗、油には非常に強いので理想的です。しかし完全に

コーティングをするので木の呼吸などは止まります。木の水分が抜ける、またクラッキングが

起こることはありません。クラッキングをしないという事は乾燥による経年がない、乾いてきた

サウンドは出ないという事でもあります。オールドギターのような弾きこんだそのギターの味は

あまりありません。また個人的な主観ですがラッカー塗装のような木の温かみがないサウンド、

言い換えれば少し冷たい感じです。

 

また残念なことに安価な分、大量生産のギターに使われます。10万円以下の定価ならほぼ100%

ウレタン塗装になります。傷などにも強い塗装です。綺麗な光沢もでます。また配色も楽に行える

のでとても便利です。そのためどうしても安い塗装のイメージが強くなります。

しかし本来の塗装の大切さ、いわゆる防御をしつつもボディのサウンドを殺さないようにする。

この考え方をすればウレタン塗装が果たしてそのように安価なギター向きだけではありません。

 

次回はウレタン塗装の続きです。よろしくお願いします。

 

 

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