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アコースティックギターの練習。右手の練習について。

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

前回に続き、今回はアコースティックギターの右手、ストロークの練習方法についてです。

まず大切なのはなんといっても左手です。まず第一にコードや曲のコード進行をしっかり覚えていないと右手のステップには入れません。

BPM、BeatsPerMinuteの略なのですがテンポのことですね。意味は1分間に4分音符(一般的に4分音符を設定)が
何回出てくるかの数です。例えば♩=60なら♩は1秒に一回となりますね。しかし♩=60の曲はほとんどないと言っていいくらいありません。
遅すぎるのですね。そうなりますと
一般的にバラードは75くらいの速さ。90から120でミドルになります。そうなるとミドルの曲で4分音符の速さは
すごいことになります。左手が一瞬でも躊躇したり迷ったり
また失敗したと思った瞬間、右手に影響してしまうのです。
音楽のスピードはゼロコンマの世界です。まず利き手ではない左手をしっかり練習しましょう。そしてその次が右手のステップです。
T’sGuitarSchoolでは課題曲2曲目に少し複雑なすとロークを教えています。1曲目の課題曲はほぼ
コードを中心にしております。このように課題曲の順番もまた左手重視なのですね。因みに2曲目の課題曲に関しては
コードは5つしかなくそれも1曲目に出てきたコードばかり。このように徹底して右手に集中できる曲を選んでいます。

左手がかなり上達したらいよいよストロークです。

ダウンストローク
右手を振り下ろすストロークになります。この時に注意したいのがピックの角度です。1弦に対してピックが垂直にあたるように弾いてください。そしてスナップを使いません。
腕を中心にして振ります。スナップを使う、手首を振ってしまうと手首が中心に弧を描きます。そうなると手首からピックまでの距離はそれほどありません。ですので小さな弧を描くことになります。
弧を描く範囲が小さくなればピックは
1弦に垂直に当たる前に反れることになります。ピックの
端が当たることになり1弦はかすめた音しかならない状況になります。
しかし肘を視点にして手を振り下ろすと

肘からピックを持つての距離が長くなり弧の範囲は広くなります。完璧にピックを垂直に当てることは難しいのですが
限りなくしっかりと1弦にピックは当たるでしょう。

アップストローク
ダウンストロークの反動でよいと思います。ただしダウンストロークがしっかりできたら挑戦してください。この
アップストロークの注意はダウンストロークと同じく
ピックが1弦に垂直に当たるかなのです。ここで慌てて
手首を使ってしまうとまたピックは1弦に対して垂直には当たりません。
このダウンとアップのストロークの時にピックが1弦に垂直に当たるようになると次にアフターフォローです。

ダウンストローク
1弦にしっかりとピックが当たったらギター本体の下の部分まで降りましょう。この際は手首を使っても構いません。

アップストローク
1弦にしっかりピックがアップで当たったら6弦まで平行に腕を上げてきてください。(6弦はミュートしていても
おなじふり幅で考えてください)ここで注意なのですが
アップストロークのアフターフォローは難しいのです。
6弦までしっかり弾いたらこのままだと胸元に手が近づき過ぎてとても窮屈になってしまうのです。ですので
今度は巻き込みます。右手の手のひらが天井を向くくらい
まで巻き込みましょう。

ダウンアップの繰り返し
上記の行動を繰り返します。大切なのは1弦の音がしっかり聞こえるかです。その際は左手もチェックしてみてください。
1弦が綺麗にならないのはピックの角度なのかそもそも
左手のコードの押さえ方なのか。この両方の可能性が残っていては何が悪いのかわかりません。

ここまでアップ、ダウンとストロークを見てきましたが最大の難関は均等にダウン、アップができるかです。これは
非常に難しい問題です。大抵の人はダウンはまだ綺麗に
弾けるのですがアップが苦手な人が多いです。どうしても
焦って手首を使ってしまい「パチン」と嫌な音を出してしまいます。焦らずにダウンの反動を使えばいいのですが
なかなかうまくいかない人が多いです。

こういった一連の練習でやはり大切なのはゆっくりから
練習することです。曲の中で練習をしようとしないことです。
目的を絞るならコードチェンジは一切なく同じコードのみで右手だけの練習をします。その時は右手を見ても構いません。本来、ギターは右手を見ることは一切ありません。
心理的なものなのか、初心者、独学の人は右を見てしまいます。しかし右手を見て確認をしたら今度は左手を間違える。
この繰り返しをしてしまい、ギターは難しいと感じるようですね。しかし今回は右手に特化した話でもあるので右手を見てピックの角度などを修正してください。

ピックについて

アコースティックギターのストロークで重要なのは
ピックの形状です。慣れているものを使えばいいのですが
やはりおにぎり型が楽でほとんどの人がこのタイプを使っています。おにぎり型のピックは弦に当たる面積が大きく
また5本、6本の弦を一気に弾くときにもしっかりと
弾けます。また耐久にかんしても3辺を使えるので
削れて減ってしまっても別の辺を使うことができ、ピックを酷使するアコースティックギターの奏法に適していると思います。弱点は大きすぎることです。三角形の辺が大きいので手にぶつかってしまい、
ソロを弾きにくい気がします。
因みに私はこの形状が苦手です。ストロークしかしないとき以外は自分の好きな形状で何とか頑張っています。

次にストロークの強さです。
あまりバカ力で弾く必要はありませんが最低限度の力は必要になります。そして5本ないし、6本の弦が一つの音になるように弾いてください。もちろんダウンなら6,5弦から
先にピックが当たります。そしてアップなら1弦から先に音がでるので6本の弦の音が同時にでないのは当たり前です。
しかし限りなく一つの音に聞こえるように弾きます。
アコースティックギターのストロークは伴奏なのです。
その時に常にコードがばらけて聞こえると非常に不快です。

失敗例)
撫で弾きといいます。各弦の音が一つずつばらばらに聞こえることです。まず6弦(5弦)から弾こうとしないことです。
振り下ろすだけでいいのですがコードの弦を意識するあまり振り下ろさずに6弦に一度当ててストロークをする人が
多いです。これをしてしまうと6弦、コードによってはミュートしているので5弦ですがその太い最初の音が強調されてしまい非常に汚く聞こえてしまいます。そして太い弦に
抵抗を感じてしまうので細い弦、最悪は1弦にはピックが
当たらない、もしくはかすめただけの音になる人もとても
多いです。そして今度は手の振りの軌道です。各弦に
ピックが垂直に当たる、これは上記にありますが
叩いてしまう人が多いです。力が入ってしまうのかもしれません。そうなるとギターがボロボロになります。サウンドホールの下の方がもう塗装が剥がれて木が見えてしまっているギターをよく見かけます。練習をたくさんしたとは思うのですがストロークの振りが悪いのですね。ピックの先でサウンドホールを削ってしまっています。そしてこのストロークはアップの時にまたうまく上に上げれない原因になります。

こちらがストロークの失敗例でした。
まとめると、アコースティックギターのストロークが上手い人はまずコードなのにもかかわらず一つの塊の音として聞こえてくる。ギターにピックの傷があまりない。ダウンとアップの音が均等。特に1弦の音がダウンとアップで同じ響きをする。

実際私の経験上、ここまでしっかりアコースティックギターのストロークができる人は稀です。どうしても歌いながら弾くと歌詞が気になります。間違えることができません。
そしてコードチェンジ。それだけでも難しいのに、右手まで気が回らない。自分の歌のピッチが合っているかどうかも
気になるでしょう。そうなると1弦の音がダウンとアップで均等に聞こえているかなんてもう全く気が回らないのですね。

歌も上手いがギターも上手い。そんなミュージシャンはほとんどいません。エリッククラプトンは両方で素晴らしいですね。私の解釈ですがエリッククラプトンはもともとギタリストでした。デレク&ドミノスで活動するまでは歌は歌っておらず、リードギターでした。
このようなキャリアを持つギターボーカルはほとんどいません。

ですのでどうしても歌メインになるとギターには注力できないのはよく理解できます。そういった意味では歌と同時に
ギターを練習しないことをお勧めします。歌のピッチ、
歌詞、そしてギター。この三つを意識してしまうと
どれかが疎かになります。まず歌に注力してしまうでしょう。
これだけの作業を一緒に練習することは効率的ではありません。ギターはギターだけで練習をして下さい。どこかのタイミングで歌とギターを一緒に練習しなければならないとは思いますが
これは最終段階だと思います。

最後にどんな時でもメトロノームを使用してください。

最初から曲をかけて練習しないようにした方が絶対に効果的です。曲に合わせてしまうとリズムは取れなくなります。
ドラム、ベースなどリズムを刻んでくれるパートが音源には
たくさんあります。ですのでその音源に乗っかった演奏さえすれば問題がありません。しかし実際には違います。そして
メトロノームも徐々にテンポアップしてください。もし曲が
テンポ120だとしたらせめて80くらいからスタートしたいです。曲が遅くて練習しづらいという方もいますがそうではありません。体で覚えるのではなくしっかり右手を意識できるスピードが大切です。このステップを踏まないといつの間にか悪いストロークに戻ってしまいます。そして曲に合わせるのは最終的でいいと思います。T’sGuitarSchoolでもこのステップで課題曲は進んでゆきます。

参考にして下さい。よろしくお願いします。

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