東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。
●今回はアコースティックギターという名前に使われるこのアコースティックという意味を書きたいと思います。このアコースティック十いう言葉の意味は「音響的な」のような意味がもとになっているようです。「聴覚的な」などの意味があるらしいのですがそれではそもそもどうしてアコースティックギターと呼ばれるのでしょうか。そのまま、電気をつながなくても生音という意味で使われる場合がアコースティックギターでは多いです。そして実は稀にアコースティックピアノと呼ぶこともあります。電子ピアノに対しての言葉なのですがそもそもギターもピアノもアコースティックです。ですのでエレキが台頭したため、あえて区別するためにそう呼ばれるようです。このように何かに対して付けられる言葉なのですが時代が変わるにつれ本当の意味と現在の使われ方が大きく変わってきたように思えます。
・アコースティックピアノとエレクトリックピアノ
今回はピアノの話ではないのですが、こちらも時代の流れで言葉が変わってきた楽器の一つです。そもそもピアノはアコースティックです。それを言うならそもそもほとんどの楽器がアコースティックなのですね。ですので1950年代に登場したエレキギターがこの言葉を生んだのではないでしょうか。実際にアコースティックピアノと電子ピアノは違います。根本的なものは一緒です。鍵盤の数をリアルに88個にしてあり、またキーの重さもアコースティックピアノそのものに近いです。しかしピアノは生音でもかなりの音量です。そこで音は電子音に変えて、ヘッドフォンをつけても練習できるのがこのエレクトリックピアノ、エレピの良いところです。今では緻密な設定により本物のピアノの出せる鍵盤のタッチ、音の響き方も設定することができるのでかなりリアルなアコースティックピアノに近づけることができるようです。そしてピアノはその大きさも問題です。グランドピアノはとても大きいものです。そしてアップライトであってもやはり個人で運べるものではありません。しかしエレピならなんとか運ぶことができます。そうはいっても大変重いものでもあります。ただあくまで電子音には変わりはなくどうしても生ピアノを弾いてしまうとその差を感じてしまうことは楽器屋さんから聞いたことがあります。移動がそれほど楽ではないのでできれば生ピアノを販売したいとは言っておられました。生ピアノを弾いたことがあるが環境の変化でエレピを使わざるを得ない、またライブではどうしてもキーボードでは鍵盤の数、鍵盤の軽さからパフォーマンスを生かせない。そんな人にお勧めなのでしょう。
●いきなりアコースティックピアノとエレクトリックピアノの話になっていますがあながちアコースティックギターとかけ離れた話題ではありません。実際にギターもイコール、アコースティックギターです。今ではエレアコと呼ばれるエレクトリックアコースティックギターというものもありますが登場はエレキギターの方が先です。そしてエレキギターの音を拾う仕組みも若干最初は違いました。現在ではエレアコもエレキも同じマグネットピックアップを使用することは可能なのですがサウンドはあくまで弦振動を拾うため従来のエレアコとは違うものになります。また配線がアコースティックギターのトップから出るので取り回しには注意が必要です。そして現在アコースティックギターは概念が少し変化しています。
・エレアコ
本来、エレアコとはオベーションというメーカーのイメージが強いものでした。このオベーションはボディのトップは従来のように木材なのですがサイドとバックはプラスチックです。アコースティックギターの概念そのものを変えるようなものでした。サイドとバックを木製にせず、特殊なプラスチックにすることによりハウリングを防ぎたかったのでしょう。アコースティックギターのトップは弦の振動を受けるものです。これは柔らかい木材が適していると言われています。しかしサイドとバックはその振動の反射です。ですので固い木材がよいと言われます。しかしその反面、エレキ仕様にするとどうしてもハウリングが起こりやすくなるのですね。どのみちエレキの仕組みで音量は稼げるのだから、もう反射を止めてハウリング対策をしたいということです。しかしどうしてそこまで対策が必要かというと、大きなステージでひくアコースティックギターのイメージのようです。例えば、バンド演奏などはどうしてもドラムの音量が大きいため各楽器はマイクを通すことが必要になります。そこでアコースティックギターが生音では何も聞こえない状況になってしまいます。かといって、マイクで拾うとほかの音も拾います。手もぶつかったりもします。さらにハウリング。アコースティックギターは実際にはそれほど便利なものではなかったのですね。かなり環境を選びます。実際にクラッシックギターのように独奏をメインにして作られた楽器ではあったので大勢の人数に対応できる楽器ではもともとありませんでした。このような歴史からオベーションを代表するアコースティックギターが開発されました。サイドとバックは木材ではないことギターはもはや別サウンドです。もちろんピックで弾いたときのアタックの感じは十分に得られます。中が空洞なのでその点はアコースティックギターなのです。エレキギターのようなサウンドではありません。しかしまったく生音には程遠いものです。
・その後のエレアコ
オベーションのようなエレアコが出てきた後、アコースティックギターメーカーも色々なエレアコを開発しました。しかしオベーションのようなサイドとバックを独自で製作するのではなく、従来のギターに搭載する形となります。これには弱点があり製作段階でその仕様にしておく必要があります。もちろん後からでも取り付けは可能なのですが大きな工賃が加わってしまうので購入するなら最初からそういったエレアコ仕様をお勧めしたいです。多くのタイプはアコースティックギターのサイドに電池と音量、イコライザーなどを搭載したユニットを取り付けたものです。後からこのユニットを取り付けるにはとても大変なのでこの仕様は元々から付いたものをお勧めしたいです。弱点としては後付けが困難なこと、また大きくサイドを削り取ることになるのでアコースティックギターにとってはあまり良いものではありません。また電池もその付近にある場合が多く、結構な重さになってしまいます。利点としては安いものが多いです。いつかエレアコが必要になるかもしれない、とりあえずついていれば大丈夫といったスタンスでアコースティックギターを買う人にお勧めです。ギター教室で多いのは発表会。ここで大活躍です。発表会は実際には年に1回くらいです。大きな会場で生徒さんが演奏するのはこの機会以外ありません。そんな人にお勧めです。サウンドはこれもまた生のアコースティックギターには程遠いものです。やはり便利であるということ、安いということが一番のメリットでしょう。
・最近では
アコースティックギターの演奏方法も大きく変わりました。本当に最初は指でアルペジオを弾くことしか考えられておりませんでした。ピックという奏法が出たとしてもそれほど音量の出るものでもありません。本当に家庭用みたいなイメージだったのかもしれません。そんなアコースティックギターを改良して大きなステージでもほかの音量に負けない、それがエレキギターだった思います。このエレキギターですら、最初はピックではなく指だったようですね。今のような奏法は当時からすれば考えられないものでしょう。それならばアコースティックギターもアンプを通せるようにとなったのですがどうしてもアコースティックギターではなく「エレアコ」のサウンドなのです。ここを最近では開発しているようです。コンデンサーマイクというものを組み込み、サウンドホール内の音の反射を拾うものです。このようにしてなるべく生音を再現するようになりました。
●アコースティックギターという言葉はこのようにエレアコであってもアコースティックギターと呼ぶようになりました。安いモデルなどは別としてかなりエレアコ仕様が増えました。また過去はアコースティックギターの生のサウンドとは程遠いものも多かったのですが最近ではかなりリアルになっています。そのリアルになっている部分は私たちがよく使う箱鳴りです。アコースティックギターはよく「箱もの」と呼ばれます。アコースティックギターの空洞は削り取っているのではなく「組んで」いるからです。この箱の中の音の仕組みがリアルになりましたね。しかし残念ながら電子音の感じはいまだにします。本当に生音を聞いているようには聞こえません。しかしそれでもノイズなども大分と良くなりました。そしてあくまで生ギターをということでエレアコのユニットも軽量化されてきました。やはり重量は音の振動を止めるので弱点になります。そしてボディを大きく削ってしまうような仕組みではなくあくまでマウントするのみ、また電池もそこそこに重たいので交換しやすい別の場所に付けることができるようになっています。エレアコのユニットが大きく生音を左右しないようにこのような工夫もされています。最初からエレアコにするか、生のアコースティックギターにするかは予算などにもよりますが大分とエレアコ仕様も優秀になったのは事実です。まだまだアコースティックギターには少ない仕組みとして、カッタウェイがあります。ハイフレットを弾きやすくするための削った部分のことですが、どうしても未だにギターソロを弾く楽器ではない概念なのでしょう。カッタウェイがあるモデルは少ないです。
参考にしてみてください。よろしくお願いします。