東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。
●今回はアコースティックギターの値段、どこでどんな風に値段は上がってゆくのでしょうか。もしこの値段の仕組みが分かれば今の自分に合ったものが探せると思います。ただ、私自身の意見としては初心者であっても最高にいいものを買ってほしいです。最初から高いものはよくない、これはどういった意味で使われているのかは分かりません。高いという値段設定にもよりますがそれでも30万円を超えてくればそのアコースティックギターは弾きやすく練習もはかどります。小さかったり、ネックが細かったりすれば弾きやすいというとそれは間違いです。決してそんなことはありません。しっかり楽器として調整がされているか。現在国産のハンドメイドのアコースティックギターの相場は20万円以上のものが多いです。これは素晴らしいですね。少なくとも手を抜いてはいけない部分をしっかりと作っています。ネックの太いものもあるのですがそれでも弾きやすい。もちろん、アコースティックギターを始めて買うとき、「自分には長続きするのか」「習ってまでは弾きたくない」「少し興味をもっただけ」このような方も多いと思います。私はそれでいいと思います。そこからアコースティックギターを演奏することにはまってほしいです。そして「楽しい」と思えた時はアコースティックギターの買い替えになるケースがあります。これはあまりに安いギターを買ってしまったときです。そうはならないように自分の思いや、覚悟に合ったアコースティックギターを選びたいですね。
・パーツ
こちらはエレキでよくあるのですがパーツ代金で高くなったり安くなったりします。アコースティックギターならピックアップの有無になるでしょう。この差は千円単位から万単位の差が出る場合があるのでしっかりと調べて自分に将来ピックアップがいるかどうかを見極めたいです。あるに越したことはないのですが、ピックアップが必要になるということはそれなりの音が必要になるため、ある程度の値段やレベルのピックアップが搭載されているものをお勧めします。ただいつかのためについているだけのものなら、安くしたい人はピックアップのないモデルでよいでしょう。そして注意をしたいのはアコースティックギター本体は変わらない場合が多いです。全く同じアコースティックギターでピックアップがあるかないかというよりも、やはりピックアップのついたアコースティックギターは将来ライブをする、これを想定しているので色、カッタウエイ、エンドピンなどが最初から搭載されています。しかしアコースティックギターそのものは同じラインで製造されているなら、これは同じレベルのものなので注意したいです。高いギターにはピックアップがあるというわけでは決してありません。初心者の方に特に注意したいです。そしてペグ。こちらもやはり安いアコースティックギターにはそれなりの精度のものです。精度といってもチューニングのできない、狂い安いものではないのですが有名メーカーのものは安心です。音程に関わるものでもあるのでできれば高いギターにも搭載されているペグをお勧めします。もちろん後から買い替えることはできますがそれなら最初から良いペグのもののほうが安くすみますね。滅多に壊れるパーツではないので安いものでも構わないのですが。こちらも予算との相談になりますね。
・形状
アコースティックギターのボディや木材は実際にはすでにカットされているものを使います。木を最初から切って使うわけではありません。ですのでアコースティックギターのボディが大きい、小さいでは値段に差は生まれません。同じカット材で小さく切るか、大きく切るかの違いです。大手メーカーなら大量に小さいギターのカット材を仕入れたりできるのかもしれませんが、そもそも小さいギター用のカット材を用意することが大変です。ですので大手のメーカー以外は普通のカット材を利用するしかありません。結局は値段が同じなんですね。大小での値段の変化はありません。形状で値段の変化があるとすればまずはヘッドです。スロッテッドヘッドといってヘッドの中心に向けて弦を巻くタイプです。クラシックギターがこの形状なのですがクラシックギターのネックをアコースティックギターに流用はできないのでクラシックギターとアコースティックギターの両方を販売しているメーカーだとしてもアコースティックギター用のスロッテッドヘッドをあえて作ることになるため、やはり通常よりも高くなるイメージです。通常値段と同じであってもあまり本数を見かけることがありません。限定の場合が多いです。そしてカッタウエイです。カッタウエイとはアコースティックギターのボディとネックのジョイント部分、1弦の14フレット付近のボディを丸く削り、ハイフレットを弾きやすくしたものです。最近では徐々にこのカッタウエイモデルが増えてきました。アコースティックギターのボディはもともとストロークのみのことを想定しているのですがギターソロを弾いてみたいといった人におすすめの形状です。ネックとボディのジョイントの部分はネックがかなり太いためカッタウエイのモデルはギターソロを弾く人には便利ですね。ソロギター用といったアコースティックギター、エレアコのモデルに多いようです。しかしこのカッタウエイもやはり専用の機械で曲げることになります。最近ではメーカーが既にこの機械を導入しているようです。このカッタウエイは短い距離をカーブさせるため技術が必要です。木材は長さが短いとどうしても割れてしまうものなので作ることには手間が必要になります。そのため、カッタウエイはほかのモデルよりも割高になります。またそうはいっても人気はありません。アコースティックギターの人気はやはりストロークをする形状です。一般的なスタイルです。アコースティックギターでもギターソロは最近では弾きやすくなりました。またそのためのネックの形状もよく見かけます。しかしそれならいっそうのこと、エレキギターを弾いたほうがましなのですね。ソロをたくさん弾きたい人はエレキギターを選択することになります。ストロークもしたい、両方したい人もいるのですがソロ用はとても弦高が低いです。弦高を高くすると弾きにくいことになるためです。しかしストロークは弦の豊かな振動がかっこいいため、ソロ用の弦高だと非常に味気のないものになります。両立は難しいのですね。そう言った意味ではアコースティックギターでカッタウエイを使用したソロ用はあまり人気がないとも言えます。デザインが気に入ったとしても弾き語りをしたい人にはお勧めはしません。最初から低いものを高くすることはできません。お金をかけて修正しなければなりません。最初から高い弦高なら削れば済むのですがメーカーが最初から低く設定していると最悪はパーツの作り直しにもなります。カッタウエイはご注意ください。また音にも変化があります。わずかではありますがボディを削って音が響く範囲が小さくなっています。殆ど気にならないくらいの変化ではありますが、影響はあります。この点も購入には注意が必要です。
・ピックアップの有無
こちらもよくこのブログで書いております。やはり別のパーツをつけることになるため、値段はピックアップありが高くなります。メーカーはパーツを大量に購入できるため、パーツの料金が大きく値段を上げているというより、むしろ加工のほうに値段がかかります。通常のモデルに付けるには後からはできません。実際にはできるのですが、傷をつけないように丁寧に作業をして、手の入りにくいサウンドホールから手をいれて。これはもうかなり時間の無駄になり逆に高くなります。機械でできる部分、特に音に関係のない部分は機械に任せてコストを削減することが重要です。ですので既存のモデルに人が手を加えればそれは高くなるのですね。ですのでピックアップのあるモデルは最初からその設定でロットを組んでいるはずです。ボディを作るときからすでにピックアップのユニットを取り付ける部分を削ります。そして作業をしやすいよう、トップを張る前にピックアップを取り付けます。この方が数倍早い作業になるでしょう。最終的なピックアップのマウントなら職人さんの手作業は必要ありません。このようにピックアップあるもでるは作られます。そしてピックアップの値段です。メーカーは大量に安く仕入れることができるとはいえ、限界があります。高いピックアップはとても精巧に作られており実際に原価がそれほど安くはありません。また輸入でもあるのでどうしてもピックアップ本体の値段は高くなります。このように高級なピックアップをマウントしたモデルは通常よりも1万円から2万円近くは値段の差が出てしまいます。ピックアップを必要としない人は大きな差になりますね。いつかのためにピックアップ付きを購入したい人は難しい選択です。やはり安いピックアップはアコースティックギターの音を再現しきれないため、いい音がしません。「自分のギターはこんな音なの?」と残念になってしまうくらいです。しかしライブをする予定もない、純粋にアコースティックギターに挑戦したい初心者の人にいつ使うかわからないピックアップに1,2万円かけるのは非常に勇気が必要ですね。こうなると予算次第といったところでしょうか。
●これ以外の形状の値段の差はあまりありません。アコースティックギターのボディのくびれが大きいか小さいか。例えばドレッドノートタイプならくびれは小さいのですが、マーチンのトリプルオーなどの形状は大きくくびれています。しかしこの形状に関してはもうどちらも一般的なのでメーカーは機械で大量につくることができ、手作業の範囲ではありません。
参考にして下さい。よろしくお願いします。