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アコースティックギターのネックは細い?太い?

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

今回はアコースティックギターのネックについて。

 

一般的にはアコースティックギターのネックは太いものだと言われています。しかしこれにはちゃんとした

理由があります。

 

まずは由来から。

・もともとはクラッシックギターだった。

アコースティックギターを最初に作ったのはマーチンさんだと言われています。元々、マーチンさんは東ドイツの

クラッシックギター職人でした。アメリカに渡り、アコースティックギターを作ったのですがその際、色々な

懸念があったと思われます。まず、テンションのかなり高い鉄の弦。これでネックは反るのではないか。

そのため、ブリュートと呼ばれる補強をヘッドにいれたり、後にはトラスロッドを開発して入れたり。

しかしこれらのネックの反る原因を想定してもやはりネックの太さは重要でした。

 

・ガット弦からスチールへ

この弦の変化はとてもネック形状に大きく影響を与えました。ガット弦は振幅数の大きさからどうしても

幅の広いネックを制作します。しかし鉄弦はそこまで気にすることがないから、ネックを細く、弾きやすく

作成できます。しかしこれには反りやすいと言った弱点がどうしても存在します。弦の太さとネックの

太さは大きな関係性があります。

 

・ネックの細さからトラスロッド

ガットギターのネックは一般的には反らないと言われております。しかし本当は反ります。演奏に影響が出るか

どうかの問題です。そしてガットギターが反らない理由はネックのジョイントの位置です。ガットギターの

ネックは12フレットの位置にボディが来るよう設計されています。そうなるとアコースティックギターの

ネックのジョイント位置は14フレット。アコースティックギターの方がネックは長いのですね。ネックは長いと

反りやすくなるのでこの点も重要です。どうしてネックの長いアコースティックギターを開発したのかは

分かっていませんがネックの反りに対応するため、トラスロッドを開発し、仮にネックが反ってもロッドで調整

することができる。ネックを細くしてもまっすぐにできるこのトラスロッドが画期的でした。

 

このように実はアコースティックギターネックは実は細いのです。元々のクラッシックギターから比べると

細いということです。でもアコースティックギターはネックが太いと言われる由縁はやはりエレキギターの

ネックの形状からです。

 

エレキギターは最初は激しいギターソロを弾くように作られておらず、アルペジオ、コードの弾きやすさを

追求したようです。

 

・ネックにアールがある

ネックの指盤、フィンガーボードにアールと言われる丸みがあります。ギターという楽器はフレットを有しています。

このフレットに弦が触れたときに音程が存在するのですがフレットが高いと簡単に弦を押さえて音程が出ます。

しかしフレットが高いと演奏はしにくい、そこでフィンガーボードを丸くする、アールをつけることでコードも簡単に

弾けるようになったのです。

 

・アンプの影響

ネックを細くして、弦を細くして弾きやすくなったエレキギター。そうなるとアルペジオやコードにとどまらず

ギターソロもとても弾きやすくなりました。そして偶然にもアンプがオーバーロードして、歪が生まれロック!

になったのです。ここからエレキギターのネックはより細くなったのではないでしょうか。また弦も変化しました。

アコースティックギターは従来の弦楽器同様、3弦までが巻き弦。1,2弦はプレーンでした。しかし弦を

細くすることができるエレキギターは3弦からプレーンです。ここでまた弾きやすさ、弦のテンションも変わりどんどんと

ネックを細くできる理由になりました。もちろんトラスロッドも入れるので何かあってもネックをまっすぐに修正できます。

そしてチョーキングなどのエモーショナルな演奏も可能になり、アンプで歪んでもかっこいい!ロック!

そんなサウンドが生まれたのです。

 

結論は実はアコースティックギターのネックは細いのです。それはクラッシックギターと比べたからです。クラッシックギター

から演奏を始めた人はなんて細いネックだと思うことか。しかしエレキギターから比べると「太い!」となるでしょう。

実際にエレキギターを最初に始めた私はアコースティックギターのネック、「太い!」と感じたくらいなんです。

結局は何と比べたらですね。しかしそれでも弾けない、弾きにくくて仕方がないものでは決してありません。

実際の弾きやすさはネック形状だけではありません。アールの角度であったりフレットの高さであったり、ネックの

長さも関係します。ナットの高さ、弦の太さ、弦高。本当に様々です。

 

アコースティックギターのネックを選ぶ時はもう自分の感覚でしかありません。実際にT’sGuitarSchoolの

レンタルのアコースティックギターは極太ですが誰もネックの太さで弾きにくとは言いません。ここはもう

制作の腕。

 

参考にしてみて下さい。よろしくお願いします。

 

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