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初心者の方へ。アコースティックギターのストローク

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

●今回はアコースティックギターのストロークです。特に初心者の方が読んでほしいと思います。経験者の方はストロークに対する考え方が理解できている場合が多いです。実際に自然にできることが多いからです。改めて、ストロークというのは伴奏、そして弦全てを弾くように振り下ろす右手のテクニックになります。言葉にするのはなかなか難しいのですがいわゆるアコースティックギターのジャカジャカ弾くものだと思ってもらえればいいと思います。このストロークは日本でしか使わない音楽用語の様です。実際にはストラミングと言われています。バイオリンなどの弓を弾く奏法もストラミングのようです。なぜか、日本だけストロークと言っています。実際にはこのように日本でしか使わない英語の音楽用語があります。ただスペイン語やドイツ語の音楽用語はそのままの意味のようですね。今回は分かりやすくストロークと書いて説明しようと思います。エレキギターにももちろんストロークという奏法は可能ですがあまり効果がありません。エレキギターといっても色々あるのですがボディに空洞のないものが特に効果がありません。ギターというとエレキギターを思い浮かべる人もいるかと思いますが弦楽器というとそうではありません。殆どの弦楽器は空洞があります。そしてトップという表面の板とサイド、バックと分かれます。一般的な弦楽器はアコースティックギターも含めてこのような仕組みです。そしてくり抜いて空洞を作っている訳でもありません。組み上げて作ります。トップは弦の振動をしっかり伝え、サイドバックはそれが反射します。アコースティックギターはサウンドホールがあるためこの反射とともに音が外に飛び出すことになります。弦を弾いた時の衝突、アタックの楽器になります。しかしボディに空洞のないエレキギターは音が反射したりするわけではなく実際には振動をため込んでいることになります。そのおかげで弦の振動は止まらずに長く振動できます。その長い振動をピックアップが拾い続けることになるサスティーンの楽器なのです。そうなりますと多数の弦を同時に弾いてしまうとどうしても各弦の振動は長くなり倍音なども消えず、そして他の弦の音にもぶつかり合うことになります。特に太い5弦、6弦は振動をため込みやすいため、サスティーンはとても長くなり、そこからアンプのスピーカーまで振動をするともう、これはぐちゃぐちゃな音になってしまいます。ですのでエレキギターの伴奏はパワーコードのようなものであったり、1弦、2弦だけを弾いたり、全部コードを弾いてもチャカッとすぐに切ってリズミカルに弾くものが多いのです。このような理由からエレキギターでもアコースティックギターのようなストロークは可能なのですが聞いている人はあまりいい感じに聞こえていません。やはりアコースティックギターの奏法です。アコースティックギターの場合は音が飛び出して、きれいではない倍音はすぐに消え、きれいな音だけがそこに残ります。サウンドホールのある弦楽器はギターだけなのですがそれでもいい音がするのはこれが理由です。このようにストロークが効果的な演奏を知らないとどうしても上手くいかないことが多いです。そしてまずリズムが大切です。

 

・ストロークのリズム

初心者の方に多いのはダウンとアップの区別です。これが分からないからできないという人が多いです。上記にあるように経験者の方はダウンアップが既にできています。そしてそれは誰にも習っていなくても正解なのです。すなわち、初心者のストロークの悩みは初心者だからこその悩みなのですね。結論を言うと、実はストロークのダウンアップは適当なのです。ここがダウンでここがアップと決まっているわけではありません。もちろん、決まりがあるのですがそれを意識するわけではなく、大切なのはリズムを意識することです。T’sGuitarSchoolではストロークのダウンアップを最初に教えません。長年の経験から、実際にストロークのダウンアップを決めてしまった方が遠回りになります。ダウンとアップのことばかりを考えてしまい、メトロノームに合わせることができなくなってしまう生徒が多いのです。まず、メトロノームを鳴らします。そして「適当に弾いて」と私は言います。殆どの人が最初は慣れないものの、リズムが取れるようになれば自然にできています。そしてもう少し時間がかかる生徒は楽譜のリズムを口で言ってもらいます。実はリズムを取るときに大切なのは発声です。「ジャン、ジャカ、ジャージャカ」で構いません。「タン、タタ、タンタタ」でもいいのです。これをメトロノームに合わせて、発声します。この際、ギターは弾きません。本当に合わせるだけなのです。人は言葉を使います。ですので言葉が不得意ということはありません。まずこの発声でリズムをとり、この工程でメトロノームに合わせるとどのようになるかを認識します。これはとても大切なステップです。そして発声とメトロノームがあうようになればギターのストロークに移ります。そうするとほとんどの生徒さんがメトロノームに合わせてストロークができるようになります。そしてこの時のストロークのアップとダウンは正解している人が殆どなのです。結局はリズムなんです。リズミカルに弾こうとすればストロークのアップダウンの正解が出るということなのです。逆に言えば、ストロークのアップとダウンのタイミングを間違う人はメトロノームに合いません。音楽でリズムを取ることの重要性が良く分かります。そして実際にストロークのダウンアップを間違える人はコードチェンジ、左手のテクニックが追い付いていない場合もあります。次に弾くべきコードがまだ覚えれていない、また次のコードがきれいに押さえることができるか不安、そのためコードが完成するのをまってからストロークをしてしまい、結果、ダウンとアップが上手くいかない。このようなケースもよく見かけます。この際は左手の練習をしましょう。左手の技術のおかげで右手が上手く連動してくれないだけなので。

 

・振り下ろせない

アコースティックギターは6本の弦があります。実際には5本しかひかないこともありますがそれでも大抵のストロークは振り下ろすことで鳴らすことができます。しかし初心者に限ってなぜが一本一本弾こうとしてしまいます。長年、ギターを教えてきましたがこの状況はたくさん見かけます。正直なところ、私には理解ができません。初心者の方の心理的なものかもしれませんね。例えば6本の弦を弾こうとして失敗するのではないか、5本しか弾けないのではないか。などなど考えてしまうのかもしれません。空振りをする懸念などもあるかもしれませんね。しかしこれは単なる杞憂です。最初は慣れていないから空振りもあるかもしれませんが正直そんなことは滅多にありません。もちろん直ぐにできることではないかもしれません。また何回かに1回はそのような状況もあるでしょう。しかし徐々にそれは慣れてきます。ギターとは不思議な楽器です。右手に、こうしよう、ああしようと考えれば考えるほど上手くいきません。弦楽器は左手が努力で右手が才能と言われています。右手は勝手にできる才能を持っているのです。ですので注力するのは絶対的に左手で、特に初心者の人がまず陥る失敗です。右手に意識をしてしまい、ただ振り下ろすだけのことが逆にできなくなります。ギターは基本的にはダウンストロークから始まるのですが最初にピックが当たるのは6弦、もしくは5弦です。しかしこの弦は太いため、上手く弾けなければ弾かれてしまうのです。ですので思い切って振り下ろさないと一本ずつなんて思って慎重になるとこれもまた上手くいきません。そして2弦、1弦に到達する前に弾かれるので大切な1弦、2弦は撫でているだけにもなりますね。初心者の人の失敗の原因でもあります。

・アップで引っ掛ける

これもよく見かけます。結論はそのまま流れで手を上へ、1弦から手を向けて弾くだけのことです。しかし変に意識をしてしまい、手首を返してしまうんです。これもまた危険な「右手の意識」です。このようにこうしよう、ああしようと右に指示を与えれば与えるほど上手くいかない。ギターは本当に不思議な楽器です。もちろんこれは練習の時だからでしょう。右の練習なのに右手を意識しないというのも教えていて矛盾しているように思うこともあります。この状況は自然に治る人が多いです。何故かというと不器用な利き手ではない左手に圧倒的に意識を持っていかないとギターは弾ける楽器ではないと自然に悟ることができるからです。しかし、この右手の意識が抜けない人はギターが続きません。右手ができるようになったとしてもその意識から今度は左手が失敗します。両方を意識するのは難しいことです。特にどちらも覚束ない初心者の人は無理です。こうやって、初心者の人は左手に意識を持っていき、自然と右には気持ちがいかなくなります。アップで引っ掛ける人は無理をせず、慣れるまでひたすらダウンとアップの練習をしてほしいです。

 

●このようにストローク自身がどんなものかを勉強しないで間違った認識で練習をしてしまうから、初心者の人はストロークができないとなってしまいます。とにかく左手に意識をしてメトロノームに合わせる。ストロークのうまい人はこれができているんですね。そしてダウンとアップの拍も間違えません。ごく稀にダウンとアップのタイミングを間違えてもリズムが取れる人がいます。このような人はギターだけではなく子供のころからピアノも習っている、音楽経験と技術が豊富な方です。そのような人はダウンアップの楽譜から教えても上手くいきますが、正直殆どそんな人はいません。

 

参考にしてみて下さい。よろしくお願いします。

 

 

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