東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。
●今回はエレアコと普通のアコースティックギターの違い、そして初心者ならどちらを購入すべきか検討したいです。事実、全く同じものがあったとして、一つはエレアコ仕様、そして一つは全くの生音のアコースティックギター。あり得ないような比べ方ですが大切です。当然、アコースティックギターにエレアコのピックアップをマウントするのでどうしても高くなりますね。でも実際はエレアコ仕様にするならすると、最初から決めておかないといけない部分があります。ピックアップを取り付けるために強度も必要になります。今回はあくまで量産のアコースティックギターです。そうなるとメーカーには生産工程があります。その際、トップ板を取り付けるときにはすでにエレアコ仕様かそうではないかを決めなければなりません。もちろん後からでも可能なのですが生産工程でそのサイドのスペースや取り付けを既に済ませる工程をしっかりつけておいた方が無駄がありません。むしろ後からエレアコ仕様にするほうがかえってコストがかかります。またエレアコならエレアコとして人気のスペックがあります。例えばカッタウエイ。せっかくエレアコ仕様にしたのだからこの部分をしっかりと検討していれば人気はでると思います。エレアコが欲しい層に向けて最初から生のアコースティックギターと違う仕様を想定することは大切です。「エレアコなのにストラップピンが両方にない?」このようなこと一つとっても最初に設計が行われるからです。単なるピックアップ付きがエレアコとは言えない部分がありますね。
まずは普通のアコースティックギターで入門用を上げます。
1. YAMAHA FG820 / FS820
ヤマハの定番モデルで、初心者から中級者まで幅広く支持されています。FG820は標準サイズ、FS820はやや小ぶりで、女性や小柄な方にも扱いやすいです。価格は約31,000円程度で、コストパフォーマンスに優れています。
2. YAMAHA F310P
入門者向けのスターターパックで、ギター本体に加え、チューナーやケースなどの付属品がセットになっています。価格は約28,800円程度で、初めての一本として最適です。
3. Fender CD-60
フェンダーのエントリーモデルで、ネックが薄めで弾きやすく、初心者に適しています。価格は約24,000円程度で、コストパフォーマンスも良好です。
4. RECORDING KING RD-06
低価格ながら、しっかりとした作りで、初心者にも安心しておすすめできます。価格は約14,800円程度で、予算を抑えたい方に適しています。
このようなギターもあります。
ブランド モデル名 特徴 価格帯(参考)
Fender CD-60S スプルース単板トップでクリアな音色。初心者でも押さえやすいネックデザイン。 約35,000円
Epiphone DR-100 伝統的なデザインで、ジャンルを問わず使用可能。 約20,000円
Takamine GD11M オールマホガニーボディで、温かみのある音色。 約97,000円
Cort AD810 コストパフォーマンスに優れ、弾きやすい設計。 約20,000円
Morris F-351 国産ブランドで、しっかりとした作りと豊かな響き。 約30,000円
Taylor GS Mini コンパクトサイズで持ち運びやすく、豊かなサウンド。 約56,500円
●実際には値段に差があるのですがスペックは違います。私のお勧めは3万円くらいのものです。余計なものもなく最低限のスペックです。この中で一番高いTakamine GD11M オールマホガニーボディはオールマホガニーにとてもお金がかかっているようです。今度はエレアコ仕様を紹介します。
初心者におすすめのエレアコメーカーとモデル
1. YAMAHA(ヤマハ)
日本を代表する楽器メーカーで、初心者からプロまで幅広く支持されています。
APXT2:コンパクトサイズで扱いやすく、独自のA.R.T.ピックアップを搭載。価格は約29,700円(税込)です。
APX600:フルサイズながら薄型ボディで抱えやすく、初心者にも人気。
FX370C:コストパフォーマンスに優れたモデルで、価格は約29,980円(税込)です。
2. Fender(フェンダー)
エレキギターで有名なアメリカのブランドですが、エレアコも高品質です。
CD-60SCE:ドレッドノートタイプで、豊かな音量とバランスの良い音色が特徴。価格は約35,860円(税込)です。
3. Ibanez(アイバニーズ)
日本のブランドで、スタイリッシュなデザインとコストパフォーマンスの良さが魅力です。
AEG10II:スリムなボディとカッタウェイデザインで演奏性が高く、初心者にもおすすめ。
4. Epiphone(エピフォン)
Gibsonの姉妹ブランドで、手頃な価格で本格的なサウンドが楽しめます。
Hummingbird Pro:美しい装飾と温かみのある音色が特徴。価格は約55,440円(税込)です。
Best One(ベストワン)
5. Takamine(タカミネ)
日本のブランドで、プロミュージシャンにも愛用されています。
GD30CE:豊かな低音とクリアな高音が特徴で、ライブパフォーマンスにも適しています。
上記にあるフェンダー、アイバニーズは元々がアコースティックギターのメーカーではありません。エレキメーカーであるためピックアップには詳しいかというとそうではなく、アコースティックギターは基本的にピエゾピックアップなため、まったくエレキギターメーカーが得意ということではありません。どこかのOEM可能性もあります。もちろん、いい音であったり弾きやすかったりすれば問題はありませんがやはりタカミネは古い日本のメーカーなので信頼はあります。使用しているミュージシャンも多いと思います。
ここで気になるのがピックアップです。
アコギ用ピックアップの主な種類
1. ピエゾピックアップ(Piezo Pickup)
特徴:ブリッジ下に取り付けるタイプで、弦の振動を直接拾います。
音の傾向:明るくてクリアな音が特徴。ただし「ペチペチ音」になることもあり、EQで調整が必要。
代表モデル:Fishman Sonicore、L.R.Baggs Elementなど。
2. マグネティックピックアップ(Magnetic Pickup)
特徴:サウンドホールに取り付けるタイプ。エレキギターのピックアップに近い構造。
音の傾向:ウォームでパワフルなサウンド。ノイズに強い。
代表モデル:Fishman Neo-D、Seymour Duncan Woodyなど。
3. コンタクトピックアップ(Contact Pickup / Transducer)
特徴:ギターボディに貼り付けて、ボディ全体の振動を拾うタイプ。
音の傾向:生音に近い自然な響き。ただしフィードバックに注意が必要。
代表モデル:K&K Pure Mini、SUNRISE Pickupなど。
4. マイク(Internal Mic)
特徴:ギター内部に小型マイクを設置するタイプ。
音の傾向:空気感を含んだナチュラルな音。ただしフィードバックしやすい。
よく使われるシステム:ピエゾ+マイクのデュアルシステム。
おすすめピックアップシステム
・ L.R.Baggs Anthem
ピエゾ+マイクのハイブリッドシステム。非常にナチュラルでライブにも録音にも対応。
・ Fishman Matrix Infinity
高感度なピエゾピックアップ。多くのギターメーカーに標準装備。
・ K&K Pure Mini
ナチュラル志向の方に人気。外付けプリアンプと併用で高音質を実現。
ピックアップを調べてもこれだけあるのでエレアコを購入する際は迷うところですね。 マグネティックピックアップに関しては最初からあるものではなく主に後からピックアップを探す人のものですので検討しなくていいと思います。またマグネットとは一般的にエレキギターのピックアップの種類でもあるためアコースティックギターのサウンドには大きく影響します。ピックアップは確かにマイクをギターの前に立てるようなことがないため、とても便利ですがやはりサウンドを作り出しているものでもあります。選択は慎重にしたいですね。
●このように値段が大きいと思います。以外にもTakamine GD11M が約97,000円と今回上げた中で一番高価な割にピックアップはありません。このレベルの機種にピックアップをマウントしたものを選ぶなら10万円は超えるでしょう。しかし本体がこの値段ならピックアップをつければスペック的に言うことはありませんね。結局は値段なのかもしれません。ただし、こちらもよく書くのですがどうしても後からつけると大変なのもピックアップです。上記に工程に組み込まれていることを書きましたがまさしく最初からその仕様でないと厳しいのも現実です。何とか取り付けることも可能ですがどうしても値段、工賃は跳ね上がってしまいます。またマグネットタイプの選択もあります。こちらはマウントするだけですが結構重たいパーツであるため、また振動を大切にするトップ板にマウントすることになるのでどうしてもアコースティックギターの鳴りは悪くなってしまいます。まずギターを試してみて、ネックやボディサイズが決まり、そのうえでそれがピックアップ付きならそれでよし。そうでなければ本当に必要な時に買い替えを検討する。まずは初心者にはこのようなスタンスでお勧めします。まずはデザインも含めて弾いてみたいと思える一本が最適です。もちろん予算の範囲もあるとは思いますが参考になれば嬉しいです。
よろしくお願いします。