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ナットの話 3回目

ナットの話 3回目

いつもご覧いただきありがとうございます。

 

ギターの上部から説明をしてヘッドからナットに来ました。テンションピン

もあるのですがこちらはヘッドの角度で解説しております。

 

今回はナットの話、3回目です。ナットだけで3回目になりますがそれだけ

重要なパーツでもあります。今回はナットの仕組みを書きます。

 

ナットは1フレットよりヘッド側のパーツで弦を受けます。この弦を受ける溝は

基本的にはVの字に削られています。そして重要なのはこのVの底に弦が落ち込んでる

ことです。そうしないとナットに音が完璧に伝達しません。逃げる部分がないように

作ることが大切です。前回、弦のところで省略した説明がここです。弦を交換するに

当たって注意点は調整と書きましたが大切なのはナットの修正をしていますか?

です。弦の話だったのでこの部分は書きませんでしたがかなり重要な話だったんです。

ネックの反りだけではありませんでした。

 

ナットだけで言うなら弦を細くするのは構わないのです。Vの字の底に密着できればよいので

今の状態より太くする方向ではナットの溝の修正が必要です。正直なところこれを繰り返すと

ナットはすり減ってしまうので弦の太さをあまり頻繁に変えるのはお勧めしません。

どうしても弦の太さを演奏の状況において変化させたい場合は違う太さ用のギターそのものと

用意することをお勧めします。

 

ナットをギターのネックにマウントするときはとにかくギターの方とナットの方を

綺麗に研磨します。歪んでいるのはもってのほかですがギザギザな状態で接着してしまうと

外れたりまたナット全体で受け止めたサウンドを逃がすことになります。

仕組みといってもとてもシンプルです。ナットをつけて溝を切るだけです。しかしネックを

まっすぐに切る、そしてギターに張り付け、0.09mmの円形の弦をVの字の底に密着するように削る。

さらにネックの角度に合わせるのも重要です。

これはもう手作業の範疇なんですね。だからナットもまた職人芸です。長年の感と努力です。

 

ナットの材質はサウンドを変えてしまいます。しかしこのナットの溝が限りなくきっちりと

削ることができなければギターは台無しです。サウンドを変えたいだけでナット交換するなら

ハンドメイドのしっかりしたギターでないと実験にならないのです。これは前回も書きましたが

重要なことなんですね。

 

ナットの仕組みなど、大げさに書きましたが実はとてもシンプルな構造。ですがとても

大事な作業です。

 

次回はナットに絡んでの話、ゼロフレットを紹介します。

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