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アコースティックギター、安い理由と高い理由。

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

今回はアコースティックギターの安い理由と高い理由です。実はあえてアコースティックギターと

書きました。エレキギターとの理由が若干異なるからなんです。エレキギターとアコースティックギター

の大きな違いはたくさんありますが電気パーツの数や形状から大量に作れるか否かで大きく違います。

ですので今回はあえてアコースティックギターということで書きます。

 

初心者の方がまずこの高い安いで迷うと思います。高すぎず安すぎず。誰もがこんな風に思うでしょう。

では価格の違いがどこからくるのか。

 

・生産国

ここは本当に大きな違いです。国産になればかなり高価なものになります。相場で20万円です。

ただしあえて国産なのは手作業だからです。ですので良いものでもあります。海外で作って

国内で調整しても国産になるのでこの点はご注意ください。私の知る限りでは国産で日本人が全て

手作業でアコースティックギターを作ったなら20万円前後の値段は絶対にかかります。

・木材

こちらも重要なのですが実際にはそれほど影響しないのです。ギターの木材の原価は定価の10分の1と言われています。

ですので良い木材を使ったからと言って実際には低下が上がるような原価率ではありません。しかしある程度の

値段差をつけないとどうしても差別化ができません。ただし希少材は違います。例えばホンジェラスマホガニー、

ホンジェラスの木材ですがこちらは1999年に輸出入が禁止になりました。そうなると国内の在庫を探すしかありません。

ですので高騰してしまう。こういった理由でもしアコースティックギターのスペックにホンジェラス産と書いてあれば

これは木材の値段ですね。

・木材の質

単板、合板とあります。合板はベニヤ板です。単板はやはり木材でも使える部位が限られていますので高いですね。

ただし単板であってもトップ材はさらに木目が大切になります。アコースティックギターのトップの木材は

スプルースが一般的ですが木目には柾目と板目があります。柾目は限りなく真っすぐな木目です。

こういった木目はスプルースの特徴です。よくギターではトラ目が珍重されますがこちらはメイプルのもので

実際にはトラ目は木目ではなく杢(もく)と言います。成長には関係のないものなのです。

この限りなく真っすぐになる木目はやはり取れる部位が限られているため単板かつ柾目は高いギターとなりますね。

そういった意味ではベニヤ板のイメージの合板は安くすみます。しかしここで注意したいのはだれがどの材を

扱っているかです。大量生産、もしくは海外製では同じ人が作るのでサウンドはあまり変わりません。木材の

良さを引き出すにはやはり職人の腕が必要です。そうなるといくら単板を追い求めても値段ほどの満足は

得られないと私は思います。また合板はトップにはあまりよくありませんがサイドとバックには理由があれば

有効です。もちろん質の高い合板という意味にはなりますが。

・パーツ

アコースティックギターでは金属パーツはペグしかないくらいなので限定しますとゴールドかシルバーか。

シルバーでも最初から光らないニッケルとピカッと光ってあまり曇らないクロームがあります。

しかしシルバーであれば値段は変わりません。ゴールドは割高です。ただ残念なことにゴールドとシルバーの

原価はほとんど変わらないのです。ゴールドパーツが良い理由は見た目しかありませんのでこちらは

お好みですね。

・パーツ(木製)

こちらは大量生産できるものとそうでは無いものの違いです。簡単なものならたくさん作れます。そして使いまわしも

できます。しかし手の込んだデザインならあまりたくさん作れないのでパーツがおしゃれな感じのギターは

そこに値段が乗ると思います。もちろん音にはかかわりません。高いギターには少しおしゃれなパーツは業界の

習わしみたいなものですね。

・装飾

こちらももちろん音には変わりません。インレイなどに天然かフェイク素材か、簡単な丸、どっとなら安いのですが

スノーと呼ばれる雪のものなら少し高いです。そして天然かつアバロン貝などはそれだけで高いですね。

一般的に一部分にアバロン貝を入れることはありません。アバロン貝ならすべてのパーツにアバロン貝、白蝶貝なら

全ての部分に白蝶貝となるのが一般的です。こちらも見た目の問題なのでお好みや予算ですね。

 

 

こういった形で値段設定があります。ここまであるとどれが安いか高いか分からなくなりますね。

私の意見としてはまず最初の一本なら装飾のあまりないもので気に入ったものを選びます。この装飾は

結構値段を左右してしまいます。材の質です。全て合板で良いと思います。5万円の単板と3万円の

合板なら正直ほとんど音の差が現れません。結局は値段の差はどこから生まれるかというと

手作業なのかそうでないのか。ギターは木工品なのでこの手作業は大変です。ここにコストが

かかるのは当然ですね。そして手作業が多ければ多いほどギターはいい音がします。そして

職人さんの腕前が最後は値段になると思います。

 

アコースティックギター選び、困ったら参考にしてみて下さい。よろしくお願いします。

 

 

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