東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。
●今回はアコースティックギターのチューニングを書いてみようと思います。実際、チューニングは奥が深いものです。色々と合わせ方もあるのですが、実際はチューニングメーターを使用しないとしっかりとしたチューニングはできません。耳で合わせるといった人もいますが完璧には合いません。確かに弦を交換した後などはチューニングは程遠い音になってしまっているはずです。そうなったときは元々のチューニングに近づけるために耳で音をとりながら近いチューニングに持っていきます。しかしそれでは完璧ではありません。やはり最後はチューナーを使用してしっかりと合わせてほしいです。ではどうして耳では合わせれないのか。
・純正率と平均律
アコースティックギターは他のギターと同じ平均律というチューニングで音を合わせます。本来、チューニングは純正率です。音には周波数があります。この周波数は各音によって様々です。しかしそれは例えば400Hzか401Hzか。201Hzか203Hzかの違いくらいで、ほとんど聞き取れないくらいの差でしかないと言われています。ですので純正率といわれている管楽器、バイオリンなどのフレットのない弦楽器などは最終的には耳で合わせてしまい、最後はリードや指で性格に聴こえる位置を探します。しかし実際はそれほど音程に差がないため、もう平均的な位置でいいのではないか。それがアコースティックギターのような平均律です。要するに、フレットの位置は平均値の周波数であり、実際、正しいドの周波数ではありません。しかしその周波数の誤差は殆ど聞き取れないため、平均でも立派に演奏できるという意味になります。他に平均律の楽器としてはピアノ、エレキベースなどが平均律の楽器となります。耳でチューニングは純正率の合わせ方です。平均値ではありません。アコースティックギターのチューニングを純正の周波数で合わせても押さえたフレットは平均値がでるので結果、チューニングは合わないということになりますね。ですので必ず専用のチューナーでなければ合わないとされます。エレキギターに特殊なフレットを打ち、チューニングの精度を高めたものがありますがこれはどのチューナーでも使えるわけではなく、専用に発売されているメーカーのものしか使用できないようです。色々な研究がされているようですね。初心者の方には難しい話なのかもしれません。ですのでここではざっくりとアコースティックギターのチューニングは必ずチューニングメーターを使用してください。
●まずは根本的なチューニングの仕組みがアコースティックギターと他の楽器では違うということです。ですのでアコースティックギターを購入するときは必ずチューニングメーターをセットで購入してください。私が現時点で確認している限り、iPhoneなどのアプリでは上手く使えないと思います。全てを試したわけではありませんがどうしてもiPhoneなどのアプリでは精度が極端に落ちる傾向にあります。所詮はアプリであり、またスマートフォンはアコースティックギターの音を収音するように作られていません。きれいに拾ってくれないのですね。専用に発売されているチューナーをお勧めしたいです。そして現在ではクリップ式のものが圧倒的に多くみられます。マイクで音を拾うものも若干はあるのですが、もうほとんどのメーカーがクリップに変えており、またマイクで音を拾うものよりも明らかに正確に合わせることができます。コンパクトなものなので液晶が見にくいものもあります。この辺はお店でしっかりと確認して、あまり小さいものは避けた方がいいと思います。またこのタイプのチューナーはエレキギターにも使用できるため、最初に購入しておいて損はないのかと思います。相場2000円くらいのもので十分なものが手に入ると思います。しかしそれでも上手くチューニングメーターを使用しないと合っているようで合っていないこともあります。
・アコースティックギターの仕組みをしっかり理解する
ギターはアコースティックギターに限らずすべて突発的に音を出しています。そしてこの時点で即チューニングの正しい音になります。性格には少し違うのですが余りにも早いスピードなので今回は同じ音として考えます。この突発的なチューニングはピアノも同じです。ピアノも内部ではハンマーが弦を叩くことになり、ピック、指で弦を弾くそのアクションは同じです。しかし他の弦楽器は違います。奏法によって弓を使わない演奏もありますがバイオリンなどは殆ど弓を使います。コントラバス、特にジャズでは指なのでこれはギターやピアノに分類されます。弓を使う奏法は弓を引き切った後にチューニングが完成します。ですので即効的にチューニングが合う楽器と後から合う楽器があります。管楽器もやはり息を吹き込んだ後です。これもやはり後からチューニングが合う楽器になります。しかしそれでは瞬間的にはお互いチューニングがあっていないことになります。実はその通りです。とても早いスピードであるため、気にならないだけで私たちがバイオリンと一緒に演奏するなら、実はその瞬間的にはチューニングはあっていないことになります。面白い現象ですね。アコースティックギターでのチューニングでよく見かけるのは、弦をピックで弾いて、じっと見ている人です。その時点でチューニングは既にずれていっています。そこでペグを回して修正しても次にその弦を弾いたらまた違う数値が出ている可能性があります。これはもう堂々巡りですね。ですのでペグをしっかりと持ち、ピックで弦を連続して引き続けます。その間にペグでチューニングを修正しましょう。弾いた瞬間です。弾いて一秒も経ってしまえばもう、チューニングを突発的に合わせたことにはなりません。このようにギターの音の出る仕組みをしっかり理解した上でのチューニングが必要になります。
・ハイフレットはチューニングが合いづらい
アコースティックギターのチューニングは実は高い音、特に1オクターブ以降は本当にチューニングは合わない感じに聞こえます。これはもう弦楽器の構造上、仕方がないことです。クラシックギターも同様に合わないのですが、クラシックギターは12フレット接合といって、ネックとボディが12フレットで接合されています。12フレットは1オクターブを指すのですが、1オクターブ以上の音はボディにあるためその仕組みもあってか、その辺でのフレットの演奏があまりありません。しかしアコースティックギターの殆どは14フレットでネックとボディが接合されています。そうなると、実際にはカッタウエイがなくとも15フレットまでは細い弦なら何とか演奏は可能です。しかし、チューニングはなかなか合わないのです。その理由はネックの仕組みなどに由来します。ネックは1フレットから最後まですべて違う太さです。そして弦も太さは全て違います。そしてボディとネックには角度がついておりまた真っすぐではありません。この仕組みが12フレットで完璧に1オクターブ上に来ない理由なのです。各弦において1オクターブの位置は全てばらばらだということになり、どうしても完璧にはならないのです。しかしボディが一枚の板で作られているエレキギターはねじでブリッジを打ち込むことができ、多様なブリッジがあります。そしてかつ、1オクターブの位置をブリッジを修正することで完璧に調整することができます。ここがエレキギターの強みであり、ソロ演奏がとてもより良い形で可能になった理由です。結論から言うと、アコースティックギターはソロ演奏に向いていません。実際には現在のところでもこれは解決されていません。細いネック、カッタウエイなどそれでもソロ演奏向きにアコースティックギターは発売されています。初心者の方には弾きやすいものでもあります。しかし1オクターブの位置の修正をできるブリッジは殆どありません。実際にはあります。しかしそれは重たいものになります。アコースティックギターのトップの板は本来薄く、そして振動が豊かなものが適しています。そこに重たいブリッジを接着してしまうとどうしても振動を妨げてしまいますので、本来のアコースティックギターとしては不向きです。アコースティックギターのブリッジにこのタイプがあまり普及しないのは音に大きく影響してしまうからでしょう。そしてそこまでしてアコースティックギターでソロ演奏をするなら、一層のことエレキギターのほうが有利な点が多いです。そして12フレット以降の音が合いにくいのは弦の問題もあります。弦振動があまりに大きいとオクターブチューニングは合いません。これはエレキギターも同じことです。常に弦を新品の振動のまま演奏することはどう考えても不可能です。現実的ではありません。弦を張った瞬間からそれは失われていくものでもあります。このように色々な要因からアコースティックギターは本来、ローフレットの伴奏にしか向いていないことになりますね。
●ここまでアコースティックギターのチューニングの特徴を書いてきました。驚かれることもありますが、実際、未だにそのままです。ですのでアコースティックギターはかなり昔のままの楽器とも言えます。しかしそれでも人気も高く初心者の人でも簡単に挑戦できる、これもまた良いところなのでしょう。ですので多様な演奏をしてみたい人はやはりエレキギターをお勧めします。しかしエレキギターではアコースティックギターの代用はできません。初心者の方がギターを始めたいと思ったときは弾き語りがしたいのかかっこいいバンドのエレキギターにあこがれるのか。このどちらかで購入するギターを決めてほしいです。ジャズに関してはまたちょっと違う見方があるのでここでは省きます。
参考にしてみてください。よろしくお願いします。