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アコースティックギターのボディ、小さい、大きい?

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

今回はアコースティックギターのボディについてです。

アコースティックギターは大きいイメージがありますね。ボディに空洞があるため大きく感じます。

またナチュラルと言って色の塗装をせず、木の色のままで作ると膨張色になるので大きく見えるということも

考えられます。

 

まず代表的なものとして

・ドレッドノートタイプ

比較的大きく見えます。大きい、小さいと書きますが標準がある訳ではなく中がありません。

このドレッドノートタイプは大と私は表現するのですが決して大きい訳ではありません。

ボディの両サイドがほぼ真っすぐになっておりとても有名なサイズです。ドレッドノートとはもともと

戦艦の名前なのでもしかするとそちらから取った名前なのかもしれませんね。

私としてはアコースティックギターを始めるならこちらのタイプをお勧めします。少なくとも

標準的でサウンドも弾き語りに向いています。ボディの材質で弾き語りに向かないこともあるのですが

ここで木材の話はやめておきます。

 

・ギブソンに見られるタイプ

ギブソンにもドレッドノートのようなものもあるのですがここではJ-45という機種に見られるなで肩

をしたボディです。ドレッドノートに対してボディの両サイドがなで肩のようになっております。

色々とアコースティックギターを弾きてきましたがボディの形状は少しでも大きくサウンドに影響します。

アコースティックギターはその殆どがトップ、サイドバックと違う木材を使用します。トップは

音の振動が大切なため軟らかい木を使用しますがサイドとバックは音の反射です。その反射した音が

サウンドホールから飛び出るのですがその際、音が反射するボディの形状が違えばやはり音も

変わる。ドレッドノートとJー45のタイプでは大きくは変わらないのですが違うサウンドだと思います。

 

・マーチンOMモデル

マーチンのアコースティックギターには品番としてよくこのOMが使われます。オーケストラモデルの略です。

ギターは小さなオーケストラと言われます。それはクラッシックギターが由来です。クラッシックギターでの

演奏はバンド、いわゆるアンサンブルもあるのですが独奏が多いです。その際、ベース音を弾き、1,2弦で

メロディを弾き、それ以外は伴奏。これを独奏するのがクラッシックギターのスタイルですね。アコースティックギター

のようにピックで全ての弦を弾くような奏法はクラッシックギターには殆どありません。

どうしてクラッシックギターの「小さなオーケストラ」をマーチンが採用したのかは分かりませんが

このOMとはそういう意味のようです。そしてOMでもOOO(トリプルオー)というタイプはボディの両サイドは

ドレッドノートと同じなのですがくびれが大きいです。ドレッドノートのような大きなボディで音の反射が

広がるタイプに対してトリプルオーはくびれている分だけ音は締まった感じになります。上記にあるように

これだけボディが大きく違うとサウンドは大分と変化してしまいます。エリッククラプトンはよく

マーチンのアコースティックギターを弾いています。あまりギブソンのアコースティックギターを弾いているイメージ

がありません。有名なアンプラグドのアルバムでもじゃかじゃかとストロークの曲もあるのですがやはり

このトリプルオーのような形状のマーチンのアコースティックギター。エリッククラプトンのような体つきの

ひとがどうして少し小さめのトリプルオーを使用するのか。やはりそのサウンドが決め手で手が小さい、大きいでは

ないように思います。

 

このように代表的なボディは何時くかありますがどれも特徴があり好みではないでしょうか。

また通称ドンズバといって全く同じものは意匠などの理由から製作できないケースもあります。

最初に意匠を取っているメーカーに知れてしまえば停止を受けますね。ギターのボディは型から

最初に作り、そのひな形のようなものがあるのですが、全く違うものを新しく作るのは

大変です。また上記のようにこれだけ代表的なものであるのであまりにたくさんの方を保管するのも

大変です。特に個人で作っている、また小さな工房では保管する場所も確保しなければなりません。

そういった意味ではメーカーは強いと思います。

 

もちろん、元の方を少し変化させることはできます。その度合いにもよりますが少し深い曲げ方に

ボディをすることも可能です。しかしこれには技術が必要です。木はその距離が短いほどカーブを

つけることが困難になります。割れてしまうんですね。水で木の繊維をほぐすようなやり方もあるのですが

それもなかなか時間のかかる大変な作業です。特に最近増えてきたカッタウエイ。1弦12フレット以降を

弾きやすくするためにえぐれを作るのですが、これもとても短い距離になるのでどれだけ深く曲げる

ことができるかは腕次第です。この場合は熱を加えながらゆっくり曲げてゆくようです。

またメーカーはもうひな形ができてあり、また大量に売れることから最近ではカッタウエイモデルが

増えました。

 

このカッタウエイ、目的はコードではなくソロです。ですので弾き語りしかしたくないという人には

必要ないものかもしれませんがスケールの勉強もしたい、後々はエレキのように行かなくても

簡単なソロを弾きたい方にはお勧めです。最初に曲げていなければ後からできるものではないので

最初にカッタウエイモデルを購入することをお勧めします。

 

次にボディの厚さです。これは上記にあるように重要です。一般的にボディは大きいものは低から

高までの音域がバランスよくでるようです。ここで誤解があるのが音量です。ボディが大きくても

しっかり作られていなければやはり大きな音量にはなりません。ボディのトップをしっかり振動させる

ことができる「作り」。非常に重要です。そしてこのバランスの良いボディになればなるほど、

しっかり音量があるように聞こえるのです。

 

ボディの薄いもの、小さいものは低と高の音域が押さえられ、圧のある中域だけが残ります。

そうなりますとソロを弾いた時にはパンチのあるサウンドになりますね。逆に弾き語りには

少し不向きな感じがします。コードの感じがでなくなります。迫力だけは残りますが。

アルペジオには向いていると思いますがこれはボディがローズウッドの話です。マホガニーは

独特なサウンドになるためこちらは注意が必要です。

 

アコースティックギターを購入する際、カッタウエイ、ポジションマークが17フレット以降にもある、

ネックが極端に細い。ボディが従来に比べて薄い。こちらはエレアコ仕様の場合が殆どです。

そしてネック側にもストラップピンがあります。元々エレアコはエレキバンドがバラードを弾く際、

リードギターがエレキでは弾き語りのようなストロークに向かないとの理由からエレキギターの

リードギターがステージで弾くことが目的の一つでした。アコースティックギターは音量が

あると思われがちですが全然音量はありません。テレビでキャンプファイアを囲んでアコースティックギター

を弾きながら歌うシーン。あれは演出です。人数や状況にもよりますが野外でアコースティックギターを

弾くと本当に聞こえません。バンドに入ってドラムやベースが抜けたとしてもやはりエレアコ仕様に

してステージに立たないと全く聞こえないことになります。

 

まずはこういったシュチュエーションを考慮したのがエレアコでした。しかしそのエレアコにすると

ハウリング、フィードバック現象の心配があります。通称箱モノと呼ばれるフルアコ、エレアコ、アコースティックギター

はこのハウリング対策が本当に大変です。実際に起こるフィードバック現象は避けようがなく音量を下げる、スピーカー

から大きく離れるなどの工夫をするのですが会場によってはどうにもできないこともあります。

これはボディに反射した音が原因なのですがこの反射を小さくするには薄めのボディが一番有効です。

上記にもありますがサウンドは大きく変化してしまいます。しかしどうせミキサーを通して生音のようには

ならないため、ステージでの操作性を優先していいのではないでしょうか。

 

もし欲しい、かっこいいといったギターのボディが薄いならこれはエレアコ仕様かもしれません。その際は

楽器店で聞いてみて下さい。初めてアコースティックギターを購入する際、何も知らずに購入し、

ギター教室で「これ、エレアコ仕様ですよ」と言われて初めて知った生徒さんが多いです。

最近ではエレアコに見えないよう、なるべく生ギターに近い形でピックアップをマウントすることもあり

じっくり見ないと電池と配線が分からない場合もありますね。そしてエレキの人用にカッタウエイです。

もうエレアコ仕様の定番ですね。

 

実際にカッタウエイのギターはかっこよく見えます。そしてエレアコ仕様にしてあるとボディのエレアコのユニット

にチューナーを搭載して「チューニングメーターの別途購入は必要ありません」なんて言われて買った生徒さんも

いますね。このエレアコ仕様を目指したボディのアコースティックギターはもはや操作性が重視ですから上記に

書いたようにあまり音にはこだわらないことですね。注意が必要なのはカッタウエイは手間がかかるボディ形状で

あること。エレアコ仕様にするためのピックアップの値段が本体に乗っていること。全く同じアコースティックギター

がありエレアコ仕様かそうでないかだけしか違いがないなら値段の差を見て下さい。もし3000円くらいしか

変わらないならそれはピックアップの代金です。3000円のピックアップは最初から取り付けたとしても工賃を

含めてあまりいいピックアップとは言えません。エレアコは必ず電池を搭載するので電池交換も必要に

なり付属するチューナーの事を考えると安すぎるピックアップと言えるでしょう。

 

アコースティックギターのボディも考察すると本当に色々ありますね。参考にしてみて下さい。

 

 

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