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アコースティックギターのポジションマーク、どれがいい?

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

今回はアコースティックギターのポジションマークについてです。

こちらは実は色々あります。エレキギターでは見ないところにポジションマークがありエレキギターから

ギターを始めた人には違和感があることもあります。

 

そもそもポジションマークはギターにはありませんでした。これはクラッシックギターの例です。

ギターはもともとはクラッシックギターから作られたのですがネックは12フレット接合といって

12フレットの位置にボディを設定してあります。この12フレットはギターの音程のちょうど1オクターブの位置です。

そうなりますとクラッシックギターはネックの最終地点が1オクターブなので音程を簡単に見つけることができます。

ただ、最近ではサイドにはマークを打つクラッシックギターが増えました。本当に古いものは何もありません。

自分でテープで張る人もいました。ただこちらも実は場所が違う人が多いです。

 

3F、5F、7F、10F、12Fです。エレキギターやアコースティックギターは10ではなく9です。このフレットの

位置を示すマークは音程に関わることが多いのですが

・3Fには6弦からソ、ド、ファ、シ♭、レ、ソ。♭の音程が一つだけになります。

・5Fの場合はラ、レ、ソ、ド、ミ、ラ。こちらは♯も♭もなく便利ですね。

・7Fになりますとシ、ミ、ラ、レ、ファ♯、シ。こちらもファが♯だけです。しかしもし9Fになりますと

・ド♯、ファ♯、シ、ミ、ソ♯、ド♯となり♯がとても多くなります。

これが10Fならレ、ソ、ド、ファ、ラ、レとまた分かりやすく♯も♭もありません。

このような理由からクラッシックギターでは10フレットのポジションマークが採用されることが多くなりました。

 

しかしこれはクラッシックギターの話です。クラッシックという音楽はアドリブがありません。決められた楽譜の

音を弾くことが大前提です。多少はあるのかもしれませんが私は聞いたことがありません。ですのでフレットの

音程を覚えるようです。曲に音程があるのでそれでよいと思います。しかしポピュラー音楽はキーも自由です。

ボーカルや他の楽器に合わせて自由に弾くことが多いです。コピーをするなら音程を覚えてもいいのですが

それをしてしまえばキーを変えられてしまえばもうお手上げですね。しかしギターは移動ドの楽器と呼ばれ、

キーを自由に変えることがとても簡単です。アコースティックギターのFのコードは誰でも難関です。

なかなかうまく全ての音がきれいに出せません。しかしこのセーハと呼ばれるFのコードはフレット二つ分、一音

音程をあげてGにすればGになるのです。この考え方がとても大切です。そうなりますと大事なことはFのコード

ができることではなく6弦をルートにしたR,長3度、完全5度のコードができるかなのです。

これが移動ドの楽器のとても有利なところです。これができれば300あると言われるコードが楽に覚えることが

できます。しかしピアノは固定ドの楽器です。もしFというコードがファ、ラ、ドからできているという

ことを知らなければもう全く通用しません。

 

まだまだ考察したい部分はあるのですがこのような観点からロックやジャズのようなポピュラー音楽は

音程を覚えることが最初は重要ではありません。覚えて便利なのはルートがある6弦と5弦です。4弦ルートの

コードもありますがアコースティックギターの弾き語りでは弾くことはありません。6弦、5弦をミュートとなり

現実的にはストロークに向かないからです。そうなるとますます音程を覚えることが最初は必要ありませんね。

そして何よりも移動するだけでキーやコードを変えることができるのです。そうなるとどの音程よりも

どのフレットに指を持ってくるかが重要です。もちろん次は3F、その次は5Fと覚えるよりも音程で覚えること

が有効ではありますがそれでもフレットの位置と連動することは大切です。ですのでやはりアコースティックギターでも

ポジションマークは必要だと思います。

 

アコースティックギターでのポジションマークは二つのパターンがあります。

・5Fにマーク一つ、7フレットにマークが二つ、9フレットにマークが一つ、12フレットにマークが二つ。15フレットに一つ、17フレットに一つ、

移行はマークなし。

こちらはマーチンのタイプのマークの位置です。アコースティックギターを最初に作ったのはマーチンです。そして本当に初期のものはポジションマーク

もありませんでした。しかしさすがに14フレット接合にしたためポジションが分からなくなったのかと思われます。そしてつけた位置がこの

位置でした。こちらが後から定着したポジションマークの位置なのですがどうして3フレットにないのか。こちらははっきりした理由がありません。

また7フレットに二つ。12フレットはオクターブの位置なので理由は分かりますが7フレットに二つはどういった意味なのか。デザイン的な

ものかもしれませんがあまり意味を感じません。逆に12フレットのオクターブと区別がつきにくいのでお勧めしたくないパターンです。

そしてまず最初に覚えたいCmajorScale、開放弦のフォームが3フレット付近にあることに対して、そこにポジションマークをつけなかった

ことは疑問です。またフレットがあるにもかかわらず17フレット以降にポジションマークがありません。エレキギターの場合は奇数なら

必ずあります。私の意見はやはりアコースティックギターは単音を弾くことをあまり目的としていないのでしょう。コードだけなんですね。

クラッシックギターよりネックも細く、弦も鉄にしてコードらしく。座って膝の上に置いて弾くため14フレット接合になったのかも

しれません。最初から音程の位置よりもコードの位置が重要だったように思われます。私が3フレットにポジションマークが

ない場合、唯一楽に感じるのはカポの場合です。私はエレキギターからギターを始めたので3フレットにポジションマークはありました。

そして奇数のポジションマークの位置で音程を覚えていったのですがマーチンタイプのアコースティックギターで3フレットにマークが

ないことには困惑しました。しかしカポを1フレットにつけた時、便利に思えました。私の中では奇数にあるポジションマークが

音程だけではなくコードの位置も目印にしています。1フレットにカポをはめてしまうと偶数の位置にポジションマークが見えてしまい

どうしても慣れないのです。長年奇数と思い込んでいるので。カポが威力を発揮するのは1フレットにカポ。半音上げるという

ことがとても苦手なギターの音程をカバーすることができます。実際、CのキーをD♭にして演奏することは一般的にも難しい転調です。

ですので逆に3フレットになければ惑わされることがありません。

しかし7フレットの二つは便利に感じたことはありません。そして17フレット以降はポジションマークがないのはやはりこの位置まで

必要ないという判断でしょう。確かに指が届きにくい場所です。そしてコードをこの位置で弾くことは殆どないのかもしれません。

 

・5Fにマーク一つ、7フレットにマークが一つ、9フレットにマークが一つ、12フレットにマークが二つ。15フレットに一つ、17フレットに一つ、

移行はマークなし。

現在ではあっとうてきにこのパターンが多いです。逆に3フレットにないパターンのアコースティックギターをマーチン社以外で見つけたら

コンセプトはマーチン社のギターだと思うくらいです。やはり3フレットにポジションマークがあった方が便利です。

最近ではアコースティックギターでも単音を弾く機会が増えました。何よりエレアコ仕様も増えてきました。そうなると単音でも

ミキサーやアンプがあればしっかりと聞こえます。そうなると3フレットにポジションマークがあればやはり便利ですね。そして7フレットに

一つ。こちらも紛らわしさがなくなっています。カポをつけた時の違和感は確かにありますがそれも慣れてしまえば問題はありません。

曲によってキーは違うものなので常に1フレットにカポをつける場合も稀です。何よりアコースティックギターの演奏の幅が

広がるでしょう。17フレット以降にポジションマークがないことは多いです。殆どのアコースティックギターで見かけることは

ありません。しかし最近ではエレアコ仕様が増えました。そしてカッタウエイというハイフレットまで弾けるようになっている

アコースティックギターも増えてきました。そうなるとコードはさすがに17フレット以降は弾きやすくないのかもしれませんが

単音ならまだ使用するかもしれません。そうなるとポジションマークは有ってもいいと思います。私のフルアコはエレキギターの

ように17フレット以降にもポジションマークを入れてあります。フルアコでジャズを弾く場合、あまり高い音は使いませんが

それでもポジションマークがあると見やすいです。

 

・ポジションマークなし。

こちらも一時期で流行りましたが私はお勧めしません。音程を覚えることも不便です。クラッシックギターは音程を

覚え、ポピュラー音楽は最初は音程は覚えない、そのように書きましたがいずれはどこにどの音があるか

理解すべきです。しかしさすがにポジションマークがないアコースティックギターは今後、奏法の幅が狭くなると私は

考えます。ただ、シンプルなデザインでかっこいいとは思いました。そこが受け入れられたのかもしれませんね。

また多くはネックサイドにはポジションマークがあるのでそこを目印にしようとしたのかも知れません。ただ

ネックサイドはとても小さく立ってギターを弾いた時はとても見にくいです。

 

クラッシックギターになかったポジションマークが14フレット接合のアコースティックギターになりポジションマークは

実際どこにあるべきか。色々な考え方と歴史がありますが私は今一番多い

「5Fにマーク一つ、7フレットにマークが一つ、9フレットにマークが一つ、12フレットにマークが二つ。15フレットに一つ、17フレットに一つ、

移行はマークなし」このパターンがどんな時でも使いやすいと思います。

 

参考にしてみて下さい。

 

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