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アコースティックギター(アコギ)のメンテナンス

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

●今回はアコースティックギターのメンテナンスです。前回、メンテナンスを含めて書こうかと思ったのですが書ききれず、また書くこともたくさんあり今回はメンテナンスのみを書こうかと思います。実際に大掛かりなメンテナンスはリペアルームなどにお任せしたほうが良いと思います。メンテナンスは職人芸です。アコースティックギターに詳しいかと言ってそう簡単にできるものではないと思います。やはりしっかりとしたメンテナンスをしたいのならお金をしっかりお支払いしてプロのメンテナンスをしてもらうほうが良いと思います。

 

・弦交換

私は最大のメンテナンスは弦交換だと思います。よく聞かれる質問として弦はどれだけの頻度で交換するか。特に初心者の方に多い質問です。これは大前提として人それぞれです。しかし弦はどれだけ長持ちするかというなら全くアコースティックギターを弾かなくとも3か月は持たないと思います。最近弦が高騰化してしまい交換もつらいのですが3か月でも人によっては遅すぎると思います。私のように講師でギターを弾くなら1カ月は持ちません。ではどんな状態が交換時期なのかというと弦振動が落ちてしまい、チューニングが安定しづらい状況。これは弦の交換時期です。錆びるまでという人もいますが弦は環境で錆びるわけではありません。もちろん加湿器やキッチン、風呂場などの多湿なところに保管していれば錆びることもあります。また海にとても近いところで生活している人はどうしても塩分を含んだ水分が弦にかかり、錆びてしまいます。アコースティックギターはエレキギターと違い金属パーツは少ないのでそれほど弦以外の錆びに気にする必要はありません。やはり錆びは弦の大敵です。弦の錆びはそのほとんどが手の汗です。私は手汗をほとんどかかないので実際弦が錆びて交換になることは過去にありません。それくらい手に汗をかかない人のようです。しかしギターの講師でレッスンでもたくさん演奏するので弦が錆びる前に切れたり、弦振動が全く悪くなりそこで交換になります。ですので弦交換の時期は弦の錆びではないということになります。そうなると弦振動がいつ悪くなるかというと、力強く弾く人。これは弦振動が長持ちしません。しかし弦にしっかり振動をあたえることは重要です。いつも力んで弾けばいいとは言いませんがそれでもしっかりとストロークをしていい音を出すことは重要です。またしっかり弾かないと左手の指の力も振動に耐えようとせず、結果指の力がつかないことになります。そして時間。一日10分くらいならそれほど長くい時間とは言えないかもしれません。しかし30分は結構な長さなので弦振動は落ちやすいかもしれませんね。そして日数。毎日なのか週に1回なのか。などなどこのような時間や期間を吟味するとどうしても弦交換の時期は人それぞれとしかお答えができないです。また手の汗により弦は錆びます。ですので錆びたからと言って弦振動は落ちません。もし1日で弦が錆びるような人はコーティング弦をお勧めします。有名なメーカーのエリクサーなどがお勧めです。しかしエリクサーはコーティングを施すメーカーであり弦の製作メーカーではありません。弦そのものはダダリオだと聞いています。そうなりますと弦の振動が落ちる時期は同じです。そしていかに薄くコーティングをしていようとも弦にコーティングをする限りは弦振動の妨げになります。汗に強いという意味だけでエリクサーは選んでほしいです。長持ちするという人がいますがそれは先に書いた通り人によります。弦交換をするとギターの調子は実によくわかります。実際、ネックが反ったかどうかチェックしてくださいと言われるのですが弦が古ければあまり良いチェックができません。新品の弦を張った時に戻る可能性があるからです。弦振動が奪われるとはイコール、弦の張力が失われるとも考えることは十分できます。弦を交換したときにアコースティックギターの今のネックの調子がわかるので、弦交換は最大のメンテナンスになると思います。特に初心者のころからしっかり弦交換をしているとギターにも慣れることができますね。

 

・ネックの清掃

ネックが汚れるても音にかかわるとは思えません。ただ汚いだけですがやはりきれいにしておくことはいいことです。練習の気持ちも違いますね。一度きれいにしてもすぐに汚れてしまいますがまめに拭いていれば汚れても落ちやすいと思います。アコースティックギターはエレキギターと違い、汚れやすい傾向にあります。ギターはフレット楽器です。ですのでギターの音は子のフレットに弦がぶつかったときに音が出ます。指板を押さえているわけではありません。単音、ソロをたくさん弾くエレキギターはしっかりとフレットの横に指を持ってくれば指が指板に着くことが少ないのですがアコースティックギター違います。コードを押さえることがメインになるためどうしてもコードによっては指がフレットに隣接しません。またセーハ、バレーコードのような一本の指で複数のフレットを押さえるときはやはり指は指板に着きます。アコースティックギターはコードがメインでもあるためどうしても指が指板にふれるため汚れやすいのではないかと思います。もちろんエレキギターでもコードは弾くので人によることではあります。ネックの清掃は実際は乾拭きでよいと思います。そしてまめに行ってください。できれば初心者の人は練習後がお勧めです。なぜかというとこれはもう習慣です。手にどれだけ汗をかくかはその人によります。弦が錆びると思ったらどちらかといえば手汗の多い人です。そう言った自分の手汗の状況を把握するためにも練習後は乾拭きをしましょう。しかしどうしても汚れは蓄積されます。そうなった場合は汚れ落としを使うのですがこの時に注意があります。指板をしっかり拭きたいのは山々なのですが弦交換の時に一度に弦をすべて外し、その際についでにネック清掃。こちらはお勧めしません。弦の張力がすべて抜けた状態になるとネックは絶対に反ります。それが弦を張った後に完璧に戻ればいいのですがあまりそうはなりません。やはり反ります。私は6弦から4弦だけを緩めて手の届く範囲だけ拭きます。そして3弦から1弦を緩めて拭きます。面倒ですがこれが一番良い方法だと思います。そしてふき取るときに使うのはレモン、オレンジなどの柑橘系の天然オイルがお勧めです。汚れを落とす力はとても強いわけではありませんがネックの指板には安心です。研磨剤の入ったものは確かに汚れは落ちやすいのですが指板を痛めてしまうかもしれません。指板も色々あります。エボニー、ローズ。これらは木の硬さ目の粗さが違います。汚れを落とす洗剤が安全だと確証があればよいのですがそれも難しいです。同じエボニーでも違いはあります。アコースティックギターは指板に塗装がないので塗装に心配はいりません。しかし洗剤のふき取りが十分でなければこれが湿気になってしまいネックの反りの原因にもなりかねません。また、弦やネックの滑りをよくするためともいわれていたフィンガーイーズなどのスプレーもお勧めしません。結局は水分です。それを吹きかけることになるからです。もし弦を拭きたいなら乾拭きがいいのですがフィンガーイーズを使用するならネックにかからないように弦の下に布を敷きましょう。実際にネックの滑りが悪いという人もいますが正直、私はネックの滑りを気にしたことがありません。講師の立場から言わせてもらえばそれはアコースティックギターを持つフォームにかかわることです。力んでしまうからであってネックの塗装の問題ではありません。

 

・ボディ

こちらも乾拭きでよいと思います。ネックとの違いは塗装です。まずラッカー塗装に関してはデリケートなので乾拭きだけがいいと思います。根気よく拭けばそれで問題ありません。指紋などで汚れますが汗をかいた手で触ることが多い訳ではありませんので洗剤を使う必要がありません。よほど落ちにくい汚れは別ですがしっかり保管をしていれば特に油汚れなどはないはずです。それでも光沢を出したいなどの理由がありピカピカにしたいならやはり楽器店で売られているレモン、オレンジなどの天然オイルで拭きましょう。上記にも書きましたが研磨剤の入ったものは擦りとっています。塗装をはがしているのと同じです。このラッカー塗装も本当にメーカーにより様々です。そして同じメーカーでも塗装の質は違います。また経年でラッカー塗装も変化をしてしまいます。そうなるとラッカー専用と書かれている洗剤でも実際にはラッカーを剥がしてしまいます。無難なのは乾拭きです。そしてウレタン塗装。こちらはがっつりとコーティングがされていますので、ごしごしと拭いてもあまり問題はありません。また十分光沢もでます。そして染み込ませている塗装、オイルフィニッシュも乾拭きが良いです。汚れの目立ちにくい塗装ではありますが汚れには強いです。ただしもうほとんど直接木なのであまりごしごしと拭くことはお勧めできません。

 

●自分でできるメンテナンス方法は実際にはこれくらいです。ナットの溝の修正、ブリッジサドルの修正などを自分で行い、弾きやすくする人もいますが実際には本当に手作業のなせる繊細な調整になります。そして何よりネックがまっすぐな状態でなければどれをやってもあまり意味がありません。そうなるとネック調整の後に行いますがネックの反りの調整もまた素人ですべきではありません。ライブなどの前でどうしても大きく反ってしまい演奏に支障をきたす。そう言った応急であれば私も自分でネックを修正しますがあくまで応急処置です。ここは最終的には年に1回のメンテナンス時にお願いをしています。

 

参考にしてみてください。よろしくお願いします。

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