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アコースティックギターは弦が色々あります。初心者向きのものは?

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

●今回はアコースティックギターの弦についてです。過去にも触れているのですが実際には色々有り過ぎてなかなか選択の難しいところです。まずはメーカーから。

 

・D’Addario(ダダリオ)のアコースティックギター弦は、音質や耐久性の面で高く評価されており、初心者からプロまで幅広く使用されています。とてもベーシックなものです。そしてダダリオはギターの弦だけではなくかなりの弦楽器の弦も製造しており世界一のメーカーではないでしょうか。

D’Addario アコギ弦の主な種類
1. XTシリーズ(コーティング弦)
長寿命でありながら自然な音色を維持。フィンガーノイズが少なく、演奏しやすいのが特徴です。ただしコーティングをしているので一般的にはお勧めする理由がありません。
例:XTAPB1253(ライトゲージ・フォスファーブロンズ)
2. XSシリーズ(最上位コーティング弦)
薄いコーティングで高耐久&ナチュラルな弾き心地。サスティンが長く、明るいトーン。こちらもコーティングが大きく意味があります。
例:XSAPB1253(ライトゲージ・フォスファーブロンズ)
3. EXPシリーズ(旧コーティング弦)
XT/XSに置き換わりつつあるが、まだ一部で流通。XTに比べるとコーティングの影響を感じやすい。

4. Phosphor Bronze(フォスファーブロンズ)
ダダリオ定番のノンコーティング弦。バランスの取れた明るく温かい音。フォスファーブロンズ(Phosphor Bronze)弦は、銅92%、スズ8%に微量のリン(Phosphor)を含む合金で作られたアコースティックギター弦です。ダダリオが1974年に初めてギター弦に採用し、現在では多くのメーカーが製造しています。アコースティックギターを購入した際、少し高めのモデルに最初から張られている場合が多いです。定番のブロンズ弦よりも少し高いのですが長持ちするのも特徴です。またこれぞアコースティックギターのサウンドといった感じで初心者にもお勧めの弦です。EJ16(ライトゲージ)という品番が本当に定番です。
5. 80/20 Bronze(ブロンズ弦)
クリアで明るいサウンド。使い始めの音の輝きが強い。比較的安いモデルに張られているのですが実際に悪い、粗悪な弦とういことではありません。弦の張替えの頻度が高い人にはお勧めです。弦の寿命をよく聞かれるのですが実際にはなかなかわかるものではありません。練習量、手の汗、奏法によって本当に様々です。そのなかで厳しいのがやっぱり錆びですね。一カ月で錆びてしまうくらいの方ならこのように少し安めの弦を定期的に交換することがお勧めです。コストパフォーマンスが一番いいのではないでしょうか。。EJ11(ライトゲージ)が有名です。ダダリオは本当に大きなメーカーなのでライトゲージであったりする呼び方はあくまで弦の太さの話です。弦の質ではないので覚えるならこの品番が大切です。
6. Nickel Bronze
ニッケルメッキの巻線で、自然な音響特性。ギター本来の音色を活かしたい人向け。ただし、最近では殆ど見かけることもなくまた使用している人も少ないのではないでしょうか。初心者には向いていません。

・まとめると

・初心者・定番の音が欲しい → EJ16(フォスファーブロンズ・ライトゲージ)お勧めです。またアコースティックギターの出荷時に使用されているケースも多いので弦の交換も楽です。

・最高品質のコーティング弦がいい → XSシリーズ。ただしあくまでコーティングが特徴です。弦の耐久は他の弦と変わりません。実際に手の汗の多い人は一日、30分くらいの練習で弦が真っ黒になるくらい錆びてしまいます。毎日弦を交換するわけにはいかない、そのような人にお勧めです。それでもやはり練習量が増えてしまえば鉄である弦は伸びてきてしまい、チューニングも合いにくくなるものです。またどうしてもコーティングは弦の振動の妨げになります。いい音がするわけではありません。初心者にはお勧めしない弦です。
・明るいトーンが好き → 80/20 Bronze。上記にもあるように比較的安く、また定番でもあるのでこちらはお勧めです。

 

・次にマーチンです。

マーチン(Martin)はギターだけでなく、弦の品質でも高く評価されています。特に豊かな鳴りと温かみのあるトーンが特徴で、フォークやブルース、シンガーソングライター系のプレイヤーに人気です。元々、マーチンがアコースティックギターの弦を最初に作りました。

 

マーチンの主な弦シリーズ
1.Authentic Acousticシリーズ(定番)。ナチュラルな鳴りと耐久性のバランスが良い。ノンコーティングでピュアな音色です。

 

代表的なラインナップはM140(80/20 ブロンズ、ライトゲージ .012-.054) で明るい音色です。M540(フォスファーブロンズ、ライトゲージ .012-.054) は温かみのあるバランスの良い音。

弦の質に関してはダダリオで書きました。

2. Luxe by Martin(高級コーティング弦)

ナノコーティング技術で長寿命&ナチュラルな鳴り。 手触りが滑らかでフィンガーノイズが少ないのが特徴です。マーチンでもコーティング弦は発売されていますがコーティング弦の使用はダダリオと同じ理由でとにかく手汗のひどい方限定だと思います。ですので決して初心者、上級者ではありません。

代表的なラインナップ:Luxe PB Light(フォスファーブロンズ .012-.054)、Luxe PB Custom Light(.011-.052)

 

●このようにメーカーには色々なものがあるのですが私個人的にはフォスファーブロンズがいいのではないでしょうか。しかし上記にもありますように、練習量などで大きく選択は変わります。人によってはブロンズ弦のほうがいいかもしれません。もちろんサウンドも違うのでコスパだけで弦は選べないのですがあくまで消耗品です。そして弦が一番、ギターの消耗品だと思います。それほど長持ちするものではありません。また弦が切れたら基本的には全て交換となります。確かに弦は1弦、2弦が切れやすいです。細い弦なので仕方がありません。またストロークが悪いとこの弦が一番ダメージを受けます。その際、1弦だけを交換する人が稀にいますがそうなると他の弦との消耗度が変わってきてしまうんですね。6弦だけは一年以上も張っている人もいるくらいです。メーカーは全ての弦が新品の状態でネックの反りなどを検討しています。6弦だけが極端に張力が変わればネックにも影響しかねません。弦が切れた際は必ず全弦を交換しましょう。

 

・ゲージ(弦の太さ)

こちらも実際は様々なのですがやはりアコースティックギターの弦はゲージ(太さ)によって音や弾き心地が変わります。一般的に太い弦は音が太くて張りがあり、細い弦は弾きやすいという特徴があります。ただし、これは一般的な説明です。細い弦は弾きやすくなりません。弦が柔らかい分、どうしても無駄な力が入りやすです。柔らかすぎるのですね。アコースティックギターは弦とフレットが触れた時に音程がでるものです。フレットに当たればいいだけなので弦の太さが弾きやすさに関係しません。もし細い弦の方が弾きやすいと感じたらそれはフレットに弦が当たってるのではなく弦を押さえ込む無駄な力です。この点はご注意ください。

🔹 主な弦の太さ(ゲージ)

ゲージ名 1弦 2弦 3弦 4弦 5弦 6弦

・エクストラライト .010 .014 .023 .030 .039 .047 弾きやすく、初心者向け。音はやや細め→実際には初心者にはお勧めしません。
・カスタムライト .011 .015 .023 .032 .042 .052 指への負担が少なく、フィンガースタイル向け。
・ライト(定番) .012 .016 .025 .032 .042 .054 バランスが良く、弾きやすさと音の太さの両立→一番のお勧めです。アコースティックギターの出荷の際はまずこのサイズです。弦は基本的にナットという溝をとおして巻かれます。そのナットは弦の太さに合わせて彫られているので弦を交換した際はナットを修正する必要があります。安易に弦の太さを変えてしまって音が悪くなるケースが多いです。初心者の人にはここまで管理するのは難しいのでこの最初から使用されているゲージがやはりお勧めです。

・ミディアム .013 .017 .026 .035 .045 .056 音が太く、パワフルなストローク向け。ただしジャカジャカするあのサウンドはなくなるので弾き語りの方にはお勧めしません。

・ヘビー .014 .018 .027 .039 .049 .059 音の迫力はあるが、押さえるのが大変。いくらフレットにぶつけるだけといってもこのサイズは極端です。またここまで太いならナットの調整とネックの調整も必要になりますね。

 

●稀に弦が切れやすいから太めの弦を張る人がいます。しかしこれは間違いです。まず弦自体が最初からよくないことが理由です。驚くかもしれませんがどうしても大量生産のものです。はずれがあるのですね。だから切れてしまった。これはもうやむを得ないことです。そしてやはり技術です。ピックで削るようなストロークをしてしまえばどれだけ新しい弦でも切れます。手の力もあるのかもしれませんがそれでもそんなに切れるものではありません。しっかりと基礎を習ってストロークを改善できればそれほどアコースティックギターは弦が切れないものです。やはり技術を磨きたいですね。

 

参考にしてみてください。よろしくお願いします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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