今回はなんと海外まで行ってきました。
海外でギターはたくさん作られております。
当スクールで初心者用のギターとして販売しているBacchus(エレキ)。
株式会社Deviser様の製品です。
Bacchusブランドのなかでもとりわけフィリピンで生産されているものは本当に素晴らしい。
どうしてこの価格でこんなに良いものができるのか。
ギターに限らず海外製のものはやはり、「安かろう、悪かろう」。こんなイメージを覆すこの製品。
初心者の生徒さんは「最初の一本」を自分で購入します。しかしその「最初の一本」は
パーツは一流ブランドですが実際の本体はひどいもの。
どうしても「解らずに」買ってしまうんです。
私は講師でありつつも生徒さんにギターを売る「販売者」でもあります。
売る以上は責任があります。
当スクールで販売するものはDeviser様の製品、PGM、西野春平、辻四郎。
この4ブランドのみです。
「販売者」である私は自分で見聞きした情報で売りたい。
これが今回、見学を依頼した私のコンセプトです。
そんな想いから今回、Philippineに行ってまいりました。
左は成田空港。
右はフィリピン、マニラ国際空港。
マニラ国際空港付近は観光客が多くひったくりなどを地元の人も警戒しております。私の使用したiPhoneもとてもフィリピンでは高級品。
撮影中はドキドキしてこんな写真になってしまいました。
ホテルのチェックインまでは現地の添乗員が案内してくれました。初めて見たマニラの風景は色んな意味で驚かされました。
ホテルはビジネスマンがよく利用するところです。とてもいいホテルでした。
ツインの部屋でかなり広いですが泊まるのは私だけです。
今回のメインの仕事は株式会社Deviser様のフィリピン工場見学ですがさすがにそれだけでは寂しいので観光も致しました。
せっかくなので少し、こちらも書かせていただきます。
私のガイドをしてくれたRomel Casilagan。
ロメルさんです。彼は私の知り合いのフィリピン人のお兄さん。同い年でした。
もちろんフィリピンに住んでおられます。会話はなんとも拙いのですが英語。
観光地はバクララン教会。ビーチパラソルが並ぶバクラランマーケット。とても安い。が…。レイバンのサングラス、日本円で1000円もしてないんだけど…。とても荘厳なバクララン教会。カトリックです。フィリピンはアジアには珍しく国教がカトリック。皆さん、熱心にお祈りをしておりました。
観光はここのみ。後は現地のバスに乗り買い物。もちろんそれも観光ですね。バスはたくさん種類があります。しかし、行き先、料金、本当に観光バスのようなもの、ただのワゴン車、
そしてジプニー。全部に乗ったのですが私一人では理解不可能。
なかでもジプニーというバスはなんと15ペソ。当時の日本円にして45円。外観が撮影できませんでしたがこんな感じ。
(バスは行き先もタガログ語で書かれており、まず観光客のみでは乗れません。
とくにタクシーは事件が多いようです。今回はロメルが同行してくれたので乗れましたが、
もしフィリピンに行かれる方はガイド同行で。決して日本人観光客一人では乗れないので
ご注意下さい)
観光は無事に終わりました。とても貴重な経験でした。
ここからはフィリピン工場のレポート。
上記にあるように移動は現地の方に同伴してもらわないとかなり難しい状況です。
今回は僭越ながら送迎をしていただきました。
渋滞にはまり、高速にも乗り約一時間。マニラから南にあるカビテ州。
ここに工場があります。少し高い場所なのか台風の浸水被害が少ないそうです。
また日本のバイク工場もここ、カビテ州にあるらいしです。
株式会社 Deviser様のOEM、フィリピン製を引き受けるAiMusic様。そしてCEO(会長)の八塚恵様。
(AiMusic様はDeviserを退職なされた八塚様が100%出資で設立されております。現在Deviser様は息子さんが経営者でおられます。)
スタッフは約100名。日本人は八塚様、技術開発担当の高江洲様。こちらの両名だけです。あとは全て現地のフィリピン人。通訳に日本語ペラペラのポールがいます。
早速、工場内を見学させていただきました。驚いたのは日本語。
そう、ほとんどが日本製品なのです。
本当に日本の工場を訪れている気分でした。
海外の飲食店、とくにファーストフードや庶民的なお店。デパート。そういった場所のスタッフというのは日本とまるで違います。私語や緩慢な態度などは当たり前。
(今回、日本食のお店で食事をしましたが、ウエイターの女性たち、写真の撮りあいをしておりました。客の私がいるのに…)
しかし、ここのスタッフは違います。真剣そのものでした。本当に日本です。
フィリピンでギターを製造しているのは実質、ここだけ。
(個人で全て手作業の工房はあるようです。)
しかし、こんな暑い国でどうして。しかも湿度も高く木工には適していないはず。
日本との違いは風。いつも扇風機を回しているような感じ。無風にならないのです。
湿度は高いのですが湿度が一所に溜まりにくい。環境は悪くないのです。
また、本製品は一番安いモデルで58000円から。
どうしてこんなに安くできるのか。ここまで日本製のものにこだわっているのに。
コストは高くなるはず。
フィリピンといえば「マンゴー」。材を現地調達の「マンゴー材」を使用したモデルも多数。
これがコストダウンの理由なのですね。
ネックやボディです。すごい数です。
皆さん、熱心に作業しておられます。松本のDeviser様もそうなのですが
とにかく手作業が多いのです。
真ん中と一番右はウクレレです。
パーツのフィッテイングももちろん現地スタッフ。
開発の高江洲様だけではなく
現地のスタッフも慣れた人は指導にあたっておられます。
乾燥室の内部。塗装前の薄型レスポール。
出来上がったもの。フィッテングを待つボディ。塗装は素晴らしい。
塗装ブースです。
たくさんお話を聞かせていただきました。本当に素晴らしい工場です。
僭越ながら八塚様とお食事もさせていただきました。
とても素晴らしいお店でした。海の上の桟橋をホールにした
お店。海上を風が抜けるとてもいい場所。
見事な夕日です。
(当時はブルームーンが見える日だったのですがいつまでも黄色でした…)
今回は個人工房ではなく量産のできる工場。そして海外。
ですがここまで製品のクオリティーにこだわった海外工場はあるでしょうか。
本当に良い勉強をさせていただきました。