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アコースティックギターのストラップ。お勧めは?

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

今回はアコースティックギターのストラップの話です。ストラップの話の前に

根本的にアコースティックギターにはストラップが必要なのかという話にも

なりますね。実はとても重要なアイテムです。どうしてもアコースティックギター

は膝に置いて弾くもの、足を組んで弾くものといったイメージは強いのですが

T’sGuitarSchoolでは必ずストラップを使用します。もちろん自宅での練習も

また同じです。

 

本来、弦楽器のネックは上方を向くものです。コントラバス、チェロは真上に近い

です。ネックに角度があるので直立するわけではありませんが縦なのは確かですね。

どうして縦なのかというとこれが一番弾きやすいフォームだからです。コントラバス

は本当に大きな楽器です。ベース音でもあるので実際には弦も太い。そうなりますと

当然弾きにくい楽器になりますがこれだけ多くの人、また手の小さい人でも

できるのはネックが縦の方向を向いているからです。一番理想的なフォームだからです。

ではギターはどうかというと、実際にクラッシックギターはネックに角度をつけるのが

基礎のフォームです。コントラバスやチェロのようにまっすぐ縦ではないものの

しっかり上方を向く角度があります。

 

クラッシックギターを鉄の弦にしたものがアコースティックギターです。そして

各弦の音も全く同じなのです。真横にネックを持ってくることが一番弾きにくいスタイルです。

基礎の構え方はクラッシックギターと同じネックの角度です。この基礎のフォームを維持するには

ストラップが必要になります。稀にクラッシックギターのスタイルでアコースティックギター

を弾く人がいますがお勧めはしません。クラッシックギターはネックとボディが12フレットの

位置に接合されています。結果的にネックは短くなり手も届きやすいのです。人の手は

体から離れればギターは弾きにくくなります。ネックの長いエレキベースでコードを

弾くことが困難なのもその理由です。アコースティックギターは14フレットとボディが

接合位置になりますのでボディから延びるネックは長くなるのです。にもかかわらず

クラッシックギターのように両足の真ん中にボディを入れボディを体の中心に持ってくれば

ネックはさらに左方向に延びることになり非常に弾きにくくなります。体の大きな人

はできるかもしれませんが基礎とは本来体の大きい、小さいを分けるものではありません。

どんな人でも同じスタイルが基礎になりますのでクラッシックギターの構え方で

アコースティックギターを弾くことはお勧めできません。

 

またネックの接合位置が違うと倍音の位置が変わります。クラッシックギターの構え方は

綺麗に24フレットの位置に右手が来るようになります。しかし14フレット接合の

アコースティックギターでクラッシックギターの構え方をしてしまうとストロークや

指が倍音から離れてしまうためクラッシックギターの構え方と同じようにはならないのです。

倍音の位置、いわゆる24フレットのある位置がすべて良いとは言いませんが基本は

この位置でサウンドも理想的に思います。

 

ここまでの結論を言うと、アコースティックギターは胡坐をかく、足を組む等

基礎ではありません。体の大きい人はできてもやはりすべての人に向いているとは思え

ません。そこでネックの角度をしっかりキープするために必ずストラップを着けて

角度をしっかり保つこと。アコースティックギターにストラップは絶対に必要な

ものですね。

 

・値段の安いもの(500円から700円くらい)

この値段のストラップは手軽に買えますね。もちろん質は全くよくはありません。

ストラップ自身が非常に硬いビニールで肩が疲れやすいです。また過去に

ストラップを通すバックルが自然に割れたことがあります。さすがにここまで

安いと正直これくらいのトラブルは覚悟かもしれません。出先でストラップを忘れた

りしたら仕方なく購入するくらいです。ストラップは長く使うものなので

あまりに安いものはお勧めしません。

 

・2000円前後

こちらは標準的なものだと思います。ビニール製であっても柔らかいものが多く

また布もこの値段くらいなら手に入ります。そして一番一般的な価格帯なのか

デザインが豊富です。色々な種類があります。T’sGuitarSchoolでは

よくアニーボールのものをお勧めしています。1500円前後で購入でき、

質もよいとは言えませんがそれなりに使えますし、それほど肩に負担が

かかりません。種類、柄、色もたくさんあります。

 

・革製

こちらは方への負担も少なく非常に着けていて楽です。ただ海外製のストラップは短くできる

範囲に限度があります。適正なストラップの高さは人それぞれではありますがYシャツの第三ボタン

くらいがアコースティックギターのボディの角が来るくらいが適正です。しかし海外の人や

低く持つことが定番とされているストラップは短くならずこの適正な高さが上手く合いません。

革製のものはバックルを使用せず、穴を使ったピッチで調整をするため微調整が利きません。

また方にしっかりとフィットはするのですが一度ポジションが動いてしまうともう両手で

調整するしか方法がなくもし演奏中にストラップが動いてしまうと、演奏を止めるまで

ストラップの高さを調整できない難点があります。

 

・特殊な素材

私が愛用しているストラップはウエットスーツに似た素材らしく方にフィットする、もしくは

ストレッチが利いてとても快適です。ギターの重量を感じさせません。実際にアコースティックギターのボディ

は大きいのでそれなりに重たいです。1時間もつけっぱなしなら大分と方に負担がかかるものなので一番

高いですが本格的なものではあります。

 

・エレキギター用かアコースティックギター用か

実はここはあまり区別がありません。特に2000円くらいのものはどちらでも可能です。ただし

アコースティックギターはエンドピンはありますがネックの付近にはストラップピンはありません。

そうなりますとまずはナット付近でひもで結んでしまうことです。しかしこれは少し不便です。

しっかりとネックを目線の前に出す基本のフォームが大切ではありますがどうしてもコードの

指を見たいがためにネックを肩に寄せてきて見ようとする。この大切なフォームを崩してしまうと

肩からストラップが落ちてしまう、演奏ができなくなります。またひもの調整が長すぎると

1フレット付近の手をひねるコード、例えばAmなどで手の大きい人はひもがそもそも手の邪魔を

してしまいます。実際には弾きにくいものです。そこで私としてはネックのヒールにストラップ

ピンを新たに打つことをお勧めしています。T’sGuitarSchoolではご要望があれば私で

ドリルを使って打っています。もちろん楽器屋さんのリペアでも構いません。最近では

ネックに打ち付けることもあるのですがこちらもストラップが入フレットに来ると邪魔になります。

アコースティックギターはハイフレットは弾かないというのが定番なのかもしれませんが弾けない

訳ではなくまた弾くことが一生ない訳でもありません。やはりネックヒールと呼ばれる場所がベスト

だと思います。このネックヒールの注意点はダボが埋め込まれているかいないかです。ギターの

ネックとボディを固定するねじですがこれにぶつかるとネジは木に入っていかないので打つことが

できません。しっかりとネジとした穴の長さを図ることが重要です。私は数々このネックヒールに

ネジを打って参りましたが失敗したことはありません。ただ慎重に行う必要はあります。

無理をして空けないことですね。

 

上記にあるように実は革製のものはどちらかというと見た目からもエレキ用に思えます。そして

エレキギターは私の推奨するギターのフォームが低い場合が多いのでこちらを購入したら

もしかすると短くならず買い替えになるかもしれません。

 

ストラップは色々ありますがまずは肩に負担のかからないもの、失敗をしてもいいように

2000円から3000円のものをお勧めしています。またエンドピンにはまらなかったという人も

多いです。ストラップが外れてしまわないようにするためにはなるべくピンは大きな

広がりが必要です。エンドピンそのものは細いのですが抜けてしまわないようにしなければ

ならないため、ストラップの穴は小さくなります。しかしエンドピンが大きいとなかなか

装着に手間取りますね。逆にこのストラップの穴が大きいとやはり抜けやすい。この辺りが

どうしても装着の難しさになるようです。また穴付近はお勧めするものは革仕様が多いです。

革ははさみやカッターなどでは容易に切れないのでまた一苦労です。T’sGuitarSchoolでは

裁断するものを持っており、ストラップに装着しやすい穴に皮を広げることができます。

気に入ったストラップを買ったんだけど装着できない場合はT’sGuitarSchoolで穴を広げ

たりもお手伝いします。

 

このように実際、アコースティックギターのストラップは意外にたくさんの考慮が必要です。

最初は素敵ながらのものを選んでよいとは思いますが大切なギターのフォームを保つためには

機能性も重視しなければなりません。付属的なパーツだからといってあまりに安いものを

購入して(おおよそ600円)バックルが割れる。これはあまりに悲しいです。張り切って

オールレザーのものを買ったらストラップは穴が小さくて入らない、エレキ用なのか

短くならない。こんな悩みを聞いてまいりました。これといったご提案は難しいのですが

色々と注意点はあるので参考にしてみて下さい。

 

少なくともアコースティックギターの正しいフォームを保つためにも大切なのはストラップを

常に使用してしっかりネックを上げてギターを弾くことです。

必ずストラップを使用しましょう。

 

 

 

 

 

 

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