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初心者は参考にしたい。アコースティックギターの持ち方

東京は渋谷にあります。個人レッスン専門のギター教室。T’sGuitarSchoolです。

 

●今回はアコースティックギターの持ち方、構え方について書きたいと思います。実際、動画などを見ていると本当に人それぞれになっています。初心者の方が真似をしようとしてもあまりに多くの持ち方の例があってどれを真似したらいいかわからないかもしれません。特に座って弾いていたり顔を映していない、またスマホで撮影しているのですがミラーの状態になっていてわかりにくい、一見、左利きに見える。など動画はたくさんあるのですがそのアングルも様々です。そして撮影のために立っているのか、いつもたっているのか。立つのならばストラップがいりますが、ごく稀にストラップをつけずに立っていて、アコースティックギターを抱えている人もいます。どのフォームがどのように影響するかを書いてゆき、参考にできるフォームが見つかればいいと思います。

 

・あぐらをかいて座っている

これはティックトックなどでも同じみです。「練習何日目」といった動画を上げている人に多いです。このスタイルやフォームは誰でもアコースティックギターを弾くなら自然に思いつくでしょう。一般的です。しかしネックがどうしても真横になるのです。そして少し下に向くこともあります。ギターのネックはアコースティックギターに関わらずエレキギターでも上を向く形が一番弾きやすいです。しかし上を向くといっても真上ではありません。その方向は大体45度、これはクラシックギターの形です。もともとクラシックギターをアコースティックギターにしてあるので理想的です。もちろん若干の違いがあるのですが昔から弾きやすいとされてきたフォームです。しかしあぐらをかいて座るとどうしてもネックは平行になります。ネックが平行になると左手の親指はどうしても横、壁の方向を向くかもしくはネックを握る形になります。しかし例えばGのコードのように握る必要のないコードもありますがその時、もし左手の親指が壁の方向を向くと問題があります。人間の親指はその爪が天井を向くと他の4本の指を挟みこむ力が生まれます。しかし真横、壁側を向くと親指はその力が働きません。ただ、添えているだけになります。これではFのような4本の指をすべて使うような力がいるフォームは押さえれないことになります。特にまだ指の力が足りない初心者の方にとってはこの親指のフォームはとても重要になります。あぐらをかいて練習するスタイルにはこのような弱点があります。この練習方法で練習が上手くいくのは手の大きい人です。たくさんの生徒さんの手を見てきましたが、大きい人は本当に「大きい」です。そして力があります。しかしすべての人に向くわけではありません。このスタイルは左手の親指に注意が必要です。

 

・椅子に座る

こちらもよく見かけます。そして足を組んでいる人が多いです。これはあぐらをかいて座ることに似ています。利点としてはギターのボディが安定します。あぐらをかく人はアコースティックギターのボディの安定はほとんど気になりません。しかし椅子に座るときは少し安定を失います。クラッシックギターはボディを体の中心にもってきてしっかり支えます。これは何より安定します。アコースティックギターも安定が必要なのですがどうしても足を組まないと安定しずらいのですね。そして若干でもボディが上に上がります。そうすることによって左手が上に上がる分、弾きやすくなる傾向にあります。しかしアコースティックギターのボディの形、くぼみの部分は本来足に置いて弾くためにくぼませたのではありません。ですのでボディのくぼみを足に合わせると逆に弾きにくくなります。アコースティックギターのネックが真横を向くことになります。そうなると顔を真横に向けるため、首に辺りが疲れる、こるといった人をよく聞きます。しかし少し前に出すとネックが見えないからそれができない。そして少し前にできたとしても今度は左手の手首が突っ張るかたちになり、また弾きにくいのです。そしてせっかく安定していたボディも足からずれてしまうようになります。今度は逆に安定を失うのですね。などなど、実は楽なフォームに見えてそうではありません。またクラシックギターは基本的に椅子に座ります。だから椅子に座って練習する人もいるのですが実はアコースティックギターとクラシックギターではネックをボディに接合する位置が違います。クラシックギターは12フレットがボディに接合されます。しかしアコースティックギターはネックは14フレットに接合されているものがほとんどです。ですのでクラシックギターの方が実際はネックは短いとなります。逆にわずかながらでもアコースティックギターネックが長いとなります。クラシックギターがボディを体の中心に持ってきて、しっかり安定させて弾くことができるのは実際、左方向のネックの長さが短いからできます。そしてそれが故にギターのくぼみの部分を利用してネックを立てることができるのです。しかしネックが長くなったアコースティックギターはそうはいきません。クラシックギターのように両足の間にボディを持ってきて、安定させることはできるのですが実際に左方向にネックが長く伸びてしまうため、コードを押さえる手に負担がかかります。それでも手の大きい人はできるのですが手が小さい人にとって長いネックは弾きにくいギターになるでしょう。クラシックギターとアコースティックギターはネックのジョイントの位置が違うことから、ピッキングの位置もまた変わります。クラシックギターのようにアコースティックギターを弾くと実はこのピッキングの位置が変わるのも問題の一つです。基本的に24フレットの上が正しい位置です。もちろん24フレットはありませんが12フレットからサドルの位置までの真半分が24フレットの位置になり倍音発生の場所にもなります。この位置でクラシックギターもアコースティックギターもピッキングをされるのですがフレットが2フレット分長さ違いなため、倍音の位置はずれてしまいます。ですのでやはり足を広げてボディを体の中心にもってくるこの座りスタイルはお勧めしません。

 

●このように動画などに上がっているフォームは実際にはあまり理想的ではありません。もちろんこのフォームでかっこいい演奏ができる人は問題ありません。しかしアコースティックギターを始めたばかりの人には難しい可能性があります。このあぐらをかいての練習、椅子に座っての練習は体の大きな人ができるといった特徴があります。身長がそれほど高くない人でも実際、手がすごく大きい人もいます。身長は180センチと高身長なのにもかかわらず、指が短いひともいます。人の体は相対的ではありません。ですので「誰かの真似をする」といったことは参考にはならないかもしれません。自分の体と同じくらいの人を見つけるのは困難です。

 

・まずストラップをつける

T’sGuitarSchoolではアコースティックギターのレッスンでもストラップを使用します。これはネックの角度を確保するためです。クラシックギターのネックの角度に近くなるようにです。その際はなるべくネックヒールと呼ばれるところにストラップピンを打ちます。ネックのヘッドでもいいのですが少々邪魔になることがあります。またネックを自分側に引き寄せてしまうと肩からストラップがずり落ちることもあり、何かと不便です。やはり胸元にくるようにストラップをつけることをお勧めします。そしてネックの角度をしっかりつけ、ネックとボディのジョイントの部分が体の中心にくるようにギターを構えます。左半分がネック、右半分がボディということになります。因みにエレキギターも同じようになります。このようにするとボディは右手全体でしっかり安定させることができます。そして上記にある倍音の位置もしっかりと確保できます。2フレット分長くなったアコースティックギターの理想的なフォームです。そしてこのまま座ります。この話は上半身なので立っても座っても同じ姿勢になります。ここが重要です。動画などでよくあぐらをかいている人を見かけますがあのスタイルは立った時大きく違うフォームになってしまいます。あぐらをかいている時、ボディは必然的に安定するのですが立った時、ボディをどうしていいのかわからなくなります。左側が平行になっているのですが立ってしまったうえで左側を平行に保つのは非常に困難です。そして座って弾くスタイル。こちらは組んだ足からボディの位置が大きく変わります。ボディが中心近くにあるのですが、立ち上がってしまうと途端に違うフォームになるでしょう。このように立った時と座った時で大きくスタイル、フォームが変わるのは基礎とは言えません。本当の基礎はどんな時でも同じフォームになることです。サックスやトランペットが立っても座っても弾けるのはこの理由があるからです。基礎がしっかりしているですね。サックスはギターほどではありませんが大きな楽器です。特にバリトンサックスになるとエレキベースのようです。しかしそんなバリトンサックスでも立った時、座った時は同じ姿勢です。私が目指す基礎の考え方にちゃんとなっているんですね。

●このように色々なフォームがあり初心者の人には判断が難しいのかもしれません。参考にするにはちゃんと理屈が通っているかです。「初心者は薄いピックがお勧め」と聞くのですが「どうして初心者には薄いピックがお勧めなんですか?」と聞くとほとんど明確な答えはありません。多分、何となくなのかもしれませんね。基礎の見極め方は理屈に合っているかがポイントになります。理路整然とした答えのないものは基礎とは言えません。

参考にしてみてください。よろしくお願いします。

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